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電車で、職場で。些細なことに腹が立つときの鎮め方

電車でリュックを前に抱えていない人を見て、なぜかイラッとする。扉が閉まりますと言われたのに走って乗り込んでくる人に、心の中で舌打ちしてしまう。職場でも、周りの些細な言動にいちいち反応して、気づけば疲れている。

そんな「ちいさなことに腹が立つ自分」がしんどい、怒りっぽさをどう静めればいいか分からない、というご相談です。

「見なきゃいいのに、見ちゃう」

社会のルールを守っていない人を見て腹を立てる人は、実はかなり多いといいます。もうちょっと詰めてあげればいいのに。走って乗り込んでくる人にいらっとする。自分が求めていないことが起こると、人は反応してしまう。

「見なきゃいいのになと思うんですけど、見ちゃうんだよね」

その通り分かってはいるのに、目がいってしまう。反応してしまう自分に、また腹が立つ。このいちいち反応してしまうこと自体が、疲れの正体だと僧侶は言います。

怒りは、長くても7秒しか続かない

ここで教えてもらったのが、ひとつの事実です。

怒りという感情は、長くても6〜7秒しか続かない

いらっとしても、7秒待つ。1、2、3、4、5、6、7と、数えてみる。それだけで、そのいらっとした感情はどこかに行ってしまうことが多いそうです。

電車の中でちいさなことに反応してしまうなら、本を持って行って読むといった身体的なアプローチも有効です。何かに集中していれば、周りの些細なことに目が向かなくなります。職場であれば、周りがどう動いているかではなく、自分がなすべきことに集中する。これも同じ理屈です。

種火のうちに消す

それでも心がどうにかなりそうなときは、7秒数えてみる。それでも収まらないときは、他の思考に切り替えてみる。ここで語られた例えが、印象的でした。

怒りは、炎とよく似ているといいます。ポッと種火がついただけなら、7秒で消えます。けれど私たちは、その種火に自分でどんどん薪をくべてしまう。「あれもだ、これもだ、それもだ」と。そうやって薪をくべ続けるから、火はどんどん大きくなり、しまいには大火事になって消せなくなる。

薪をくべているのは、他の誰でもなく自分自身です。つい反応してしまうところまでは、感情がある以上ありのままでいい。けれど、そこから怒りへと発展させていくかどうかは、選べる部分がある。

怒ることは、私たちの脳に炎症を起こす行為なのだそうです。わざわざ自分で自分を傷つける、いわば自傷行為に近い。「わざわざ自分を袋叩きにしなくていい」——そう思えるかどうかが、ひとつの分かれ目になります。

仏教が「三毒」と呼ぶもの

むさぼる心、怒り、そして無知。仏教では、この3つを貪瞋痴(とんじんち)、まとめて三毒と呼び、古くから戒めてきました。自分で自分の中に毒を回すようなことをしなさんな、ということです。

三毒とその向き合い方は、「怒り」の感情とどう向き合うか:仏教の教えと心理学で学ぶコントロール法や、三毒(貪・瞋・痴)が招く人間関係の苦しみでも詳しく語られています。

思考の切り替えだけでどうにもならないときは、無理をせず、フィジカルな面から整えていく。それでいいのだと思います。

  • いらっとしたら、まず7秒数えてみる
  • 電車では本を読むなど、他のことに集中してみる
  • 職場では、周りではなく自分のなすべきことに集中する
  • それでも収まらなければ、他の思考に切り替えてみる

ちいさなことから、始めてみてください。きっと、いつの間にか薄くなっていることに気づくはずです。

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この記事をお話しした人

竹下暁蓮(たけした ぎょうれん)
ヨガを続けながら仏門へ。病と、大切な人の喪失を経て、あなたの今に寄り添う僧侶。

約550年つづく浄土真宗のお寺・慈徳山 得藏寺が運営する、誰にでもひらかれた、やさしい仏教の入口「仏陀倶楽部」でお話ししています。

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監修者 「愛葉 宣明」

僧侶、著述家、宗教法人得藏寺 代表役員
愛知県名古屋市出身。浄土真宗大谷派である名古屋大谷高校業後、20歳で独立起業。自動車販売業、美容事業、飲食事業、リサイクル事業と、次々に事業を立ち上げる。
独立起業後10年を経て自身の中に湧きあがる疑問と向き合うため、事業を整理し、ヨーロッパを中心に世界30カ国以上を旅する中で、多くの宗教や文化、習慣や常識の違いに触れる。
「人は生きているだけで毎日が修行」という考えに至り、時代が変化しても自然淘汰されない“在り方”を仏教に見出す。
現在は誰もが「得度」し、僧侶になれる機会を提供している。

信念は、「人生を変えるのに修行はいらない」

愛葉宣明 著 『仏陀経営』ほか
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