幸せに生きるためには、相対的なものより、絶対的なものを大切にするスタンスが重要です。ここで言う「相対的」とは、生まれ育った環境や地位、財産、病気や死、他人の評価などの、自分ではどうにもできないもののことです。一方で「絶対的」とは、健康や人間性、物事の見方や考え方など、周囲の状況には関係なく自分次第でどうにかなるもののことです。
もしかしたら、あなたは「地位や財産は、努力すればどうにかなるのでは?」と思うかもしれません。でも、地位や財産などは、少なくとも他人の意向がからみますし、運に左右されることもあるでしょう。
また「病気やケガが、自分ではどうにもできないことであれば、健康も“自分でどうにかできること”にはならないのでは?」と思ったかもしれません。健康は、日頃から食生活に気を使ったり体を動かしたりしていれば、いい状態を維持することができます。
しかし、いくら努力をしても病気や事故でケガをする可能性はゼロにはなりません。つまり、病気やケガは避けられないと自覚したうえで、健康であるためにできることをするのであれば、万が一の事態が起こったとしても、心が大きく揺さぶられずにすみます。
だから私は、健康は「自分でどうにかできること」であり、病気やケガは「自分ではどうにもできないこと」に分類しています。

「相対的」なものより、「絶対的」なものを大切にするとは、自分次第でどうにかなるものと、自分ではどうにもできないことを見極めて、自分でどうにかできることに力を注ぐという意味です。
「絶対的」なものを大切にすると、自分の人生を歩めるようになります。自分の心の声を聞き、どうすれば自分が幸せになるかを知る。そして、「自分でどうにかなること」だけに力を注ぎ、自分ではどうにもならないことは気にしないようにする。これができると、生き方がシンプルになり、自分の人生をまっすぐ歩めるようになるのです。
たくさんの情報があふれている現代では、多くの人は、自分の軸を見失い「相対的」なことに振り回されがちです。自分ではどうにもならないことばかりが頭の大半を占めていたら、疲れますしストレスがたまります。
また、他人の評価や世間体ばかり気にして行動していると、自分を幸せにする意思決定ができずに、「報われない」のです。これは、自分らしい人生を歩んで「報われたい」と思いながら、他人の人生を生きているのと同じです。
でも「自分がどうなれば幸せか」が明確になっていれば、何かを決めるときに自分にとっていい判断ができるようになります。
さらに「自分が心地よい状態」がわかれば、自分にとって不要なもの、やりたくないこともわかってきます。
そしてムダが減って、迷ったり悩んだりすることが少なくなるのです。
自分に素直に、自分の選択で前に進めるようになれば、世界は大きく変わります。
さらに、自分ではどうにもならない「相対的」なことにとらわれないようになれば、人をうらやんだり嫉妬したりすることからも距離を置くことができるでしょう。
そうして自分らしく生きることで、幸せをつかみ「報われる」人生にすることができるのです。






















僧侶、著述家、宗教法人得藏寺 代表役員
僧侶、著述家、宗教法人得藏寺 代表役員
愛知県名古屋市出身。浄土真宗大谷派である名古屋大谷高校業後、20歳で独立起業。自動車販売業、美容事業、飲食事業、リサイクル事業と、次々に事業を立ち上げる。
独立起業後10年を経て自身の中に湧きあがる疑問と向き合うため、事業を整理し、ヨーロッパを中心に世界30カ国以上を旅する中で、多くの宗教や文化、習慣や常識の違いに触れる。
「人は生きているだけで毎日が修行」という考えに至り、時代が変化しても自然淘汰されない“在り方”を仏教に見出す。
現在は誰もが「得度」し、僧侶になれる機会を提供している。
信念は、「人生を変えるのに修行はいらない」
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