私たちは「お坊さんに興味がある」「お坊さんになってみたい」という方であれば、基本的に誰でも受け入れています。年齢、性別、国籍、LGBTQ(セクシュアルマイノリティ)など、バックグラウンドは一切、問いません。
ある女性は、お坊さんになりたくてあれこれ調べていたところ、やんわりと断られることが多かったと言います。なかには「女性は得度の際に、白い下着をつけなければならない」などという決まりごとがあるお寺があり、疑問に思って探し続けて、最終的にボクたちのところにたどり着いたのです。
75歳になられる男性も得度をしています。年齢を重ねてくるにつれて、昔、家の仏壇に手を合わせて心が落ち着いたことが何度も心に浮かぶようになったとのこと。そこで、仏さまに少しでも近づいて、誰かのお役に立ちたいと考えられたのです。現在、お母さまの介護をされており、家を空けることなく得度をできて、とても喜ばれました。
また、得度をしたからと言って、必ずしも「お坊さん」として活動しなければならないわけではありません。自分の人生をよりよくするために得度した方もいますし、仏教の教えを幅広く発信されている方もいます。仕事をしながら「なってみたかった」から得度したという方もいます。
また、得度をしたあと、私たちのもとを離れてほかの宗派に行かれた方もいます。ボクたちには「こうでなければならない」「こうしなければいけない」などという、決まりごとはありません。
そもそも浄土真宗はシンプルな教えです。
仏教、そして親鸞聖人の教えに興味がある方でしたら、誰でもお坊さんになれるのです。
・戒律や条件などは必要ない
ボクたちは「得度」は、あくまでも仏教という学校に「入学」するのと同じと考えています。
ボクたちが用意する「仏教の学校」は、入学するのに、作法を学んだり仏教用語を必死で覚えたりする必要はありません。
細かい条件や戒律なども、ほとんどありません。
そもそも親鸞聖人は、仏教について詳しくなくても、「南無阿弥陀仏」を唱えれば阿弥陀さまの本願に叶うと説いています。
入学(得度)をしてから、やりたいこと、できることを見つけて、日々深めていけばいいのです。
そもそも親鸞聖人は、それまでは上層階級のものであった仏教を、悩み苦しむ民衆にこそ伝えたいと、既成の概念や枠組みを壊してまで広めました。
ボクたちは、その志を受け継ぎ「誰もが平等に救われる」カタチで展開していきたい。
そして、常識的に生きず、肩身の狭い思いをしていたボクのように、今の社会で居心地が悪い思いをしている人たちにも、居場所を提供していきたいのです。
ときどき「得度の条件が不明瞭」と言われたり、「もっときちんとした戒律がないんですか?」と聞かれたりすることがあります。
でもボクたちは、条件や戒律が多くなればなるほど、満たすことや守ることが目的になってしまいがちだと考えます。
条件や戒律は最低限で、仏教の教えを活かして幸せになることを優先してほしいと思っているのです。





















僧侶、著述家、宗教法人得藏寺 代表役員
愛知県名古屋市出身。浄土真宗大谷派である名古屋大谷高校業後、20歳で独立起業。自動車販売業、美容事業、飲食事業、リサイクル事業と、次々に事業を立ち上げる。
独立起業後10年を経て自身の中に湧きあがる疑問と向き合うため、事業を整理し、ヨーロッパを中心に世界30カ国以上を旅する中で、多くの宗教や文化、習慣や常識の違いに触れる。
「人は生きているだけで毎日が修行」という考えに至り、時代が変化しても自然淘汰されない“在り方”を仏教に見出す。
現在は誰もが「得度」し、僧侶になれる機会を提供している。
信念は、「人生を変えるのに修行はいらない」
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