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第二十八回「『絶対的』なものを大切にする3つのコツ」

前回の記事では、幸せに生きるためには、相対的なものより、絶対的なものを大切にするスタンスが重要だとお伝えしました。「相対的」とは、生まれ育った環境や地位、財産、病気や死、他人の評価などの、自分ではどうにもできないもののことで、「絶対的」とは、健康や人間性、物事の見方や考え方など、周囲の状況には関係なく自分次第でどうにかなるもののことです。今回は、「絶対的」なものを大切にする3つのコツをお伝えします。

目次

①常識よりも「自分軸」で判断する

一般常識やまわりの評価、そして「もしかして、こっちがお得かも?」といった損得勘定よりも、「これがいい」と感じた、自分の心に素直に行動することです。

私のところに「結婚したいんです」と相談に来た、30歳のある女性がいました。その理由を聞くと、「まわりがみんな、結婚していくから」「親に、早く結婚しろと言われるから」といったもので、「自分はほんとうはどうしたいのか」がわからないようでした。

それでもしばらくすると「お付き合いする人ができた」とうれしそうに報告してくれたのです。でも、まだ悩みがあると言うので、詳しく話を聞くと「どうしたら、相手がプロポーズしてくれるか」「どうやって幸せにしてもらうか」など、すべて相手を軸にして考えてばかり。

また「いい会社に勤めていて、結婚相手としてはパーフェクトだけれど、真面目すぎて面白みがない」と言い、一緒にいることを楽しめない様子です。結局、この相手とはうまくいかなくなり、お付き合いは解消してしまいました。そのとき初めてこの女性は「自分がどんな人生を送りたいのか」「どうやったら自分は幸せになれるか」ということに向き合ったのです。

1年ほど音沙汰がなかったあと、今度は「別の人と結婚しました」という連絡が届きます。夫婦でお互いのやりたいことを尊重しあえる関係を築いていて、とても幸せとのこと。転職して仕事を続けているというその女性は、見違えるようにイキイキしていました。

 この女性のように、自分の外にあるものや、世間の物差しで測る損や得などに、価値や行動の判断をまかせてしまうのは「相対的」なものに振り回されていると言えます。自分が何を本当に大切にしたいのかがわからなければ、自分を「報われる」状態にしてあげることはできません。つまり、まわりに左右されずに「自分軸」で判断し、行動できるようになるのが、「絶対的」である自分を大切にしているということになるのです。

②自分を「正しく」評価する

多くの人は無意識のうちに、他人と自分を比較して自分の評価を決めています。たとえば、学校の成績や仕事の実績で中の下くらいだとしたら、「できないから、がんばらないと」と思う。貯金や資産が少なければ、自分を「たいした稼ぎがない」と決めつける。

でも、こうした自己評価は、あくまでも「相対的」なものです。しかも、たいていの場合、自分の働く会社内や友人関係などのごく狭い範囲で比べているだけ。「カラオケで歌うのが下手」と言われても、カラオケに行ったことがない人と比べたら、上手いかもしれない。比較する相手によって評価は大幅に上下しますから、人と比べて自分の評価を決めてしまうほど、バカバカしいことはないのです。

また同様に「走るのが早いから、自分はスゴイ」「お金を稼いでいるから偉い」などと、何かの条件付きで自分の価値を決めるのも、自分を正しく評価していることになりません。もしその条件が崩れてしまったら、あなたには何の価値もないことになってしまうからです。

仏教では「人はありのままで価値があるし、素晴らしい」と教えます。また、仏教の教えの基本に「諸行無常(この世のすべては変化し続ける)」であり、「諸法無我(変わらない「私」は存在しない)」があります。つまり、移り変わる条件や相対的な評価ではなく、私たち一人一人は存在するだけで価値があると教えているのです。

今すぐ無条件に「自分は素晴らしい」と思うのは難しいかもしれません。でも、あなたは今も、この先もずっとあなたでしかいられません。だからこそ、いったん「自分は自分でしかいられない」と、今の自分を受け入れてみてください。

そして「自分は、あるがままで素晴らしい」と、自分に都合よくラベリングしましょう。「あなたはありのままで価値がある」というのが、誰にとっても絶対的な「正しい評価」なのです。

③目の前の現実を「最高」だと意味付ける

とても簡単にできる「絶対的」なものを大切にする方法の一つが、「自分に都合よく意味付け」することです。

たとえば、今、目の前にある現実を常に「最高」と意味付けてみる。何か別のものやほかの人の状況と比べて悩むより、せっかく目の前に差し出されたものなのであれば、あるものに満足したほうがお得だからです。

「不満」の上に、いくら努力を積み重ねても報われることはありません。「不満」はいわば、ゴツゴツした石のような、不安定な土台です。「不満」にガマン(努力)を上乗せしても、もろく崩れやすい。そのため結局、またガマン(努力)をドンドン積み重ねることになります。そうして「崩れたらまた同じものを積み重ねる」ことを繰り返しても、意識も人生も変わることはありません。

人は自分が意味付けした世界に生きています。たとえば、もしかしたらあなたの今の状況は、誰かと比べたら「100」のうちの「10」かもしれない。でも、自分が置かれた今を「100だから最高」と10倍の価値付けをしたとしましょう。

すると、気持ちが切り替わり、今に満足できるようになります。これがつまり「報われている」状態です。今すぐ、現実を変えることはできませんが「現実をどう受け止めるか」の絶対的な部分は自分次第で変えられます

多くの人は、「報われる」人生にするための順番を間違えています。「報われる」ような状況になるのを待つのではなく、先に、自分の現実の見方を変えるのです。「報われた」気持ちという土台の上には、「不満」を積み重ねることはなくなるでしょう。

私は、自分に「都合よく意味付け」することを、心のマッサージだと考えています。「こうあるべき」「こうでないと幸せではない」などと決めつけ、カチコチにこわばった心では、幸せを感じる感度が下がります。でも、こうして常に、現実を「最高」だと受け止めることで、心が柔軟になります。そして、「報われた」、幸せだと感じることが増え、そこから人生が変化していくのです。

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