得藏寺で得度の儀式を経て、新たな人生のステージに踏み出しました、自己肯定感マスター *翠乃絵里子としてオリジナル自己肯定感向上法「コウテイ術」を伝えていらっしゃる鈴木絵里子さん(法名:釋 翠雲)に。得度について、また多くの方の人生をサポートするお仕事などについてお話を伺いました。
*注:「翠乃絵里子」というお名前は、法名「釋翠雲」から、1文字をとってつけたお名前です。
得藏寺との出会い、僧侶を目指していた思い
ーーまずはじめに、簡単にですが自己紹介をお願いできますか?
鈴木絵里子さん(以下、鈴木)はい、私の仕事は、人の心や体、さらには人生全般にわたってサポートする専門家として活動しています。もともと人の役に立ちたいという思いが高じて、この道を歩み始めました。
27年間のキャリアを通じて、さまざまな資格を取得し、それらを活かした仕事をしています。これまで約3万人の方々と対峙してきました。私の経験と知識を引き出しとして用い、人々が自信を持って生きられるようサポートしています。
自分自身を変えたい、人生を変えたいと願う方々に寄り添いながら、セラピストの教育やセミナー講師などとしても活動しています。
ーー得藏寺・仏陀倶楽部はどのような経緯で知ったのか教えていただけますか?
鈴子 約10年前に遡りますが。その頃、突如として僧侶になりたいという強い衝動が私の中に湧き上がりました。それから僧侶になれる方法を探しながら、通信教育を通じて仏教を学んでいました。
このような衝動が2、3年ごとに訪れるのですが、去年、再び僧侶になる方法を調べていたときに仏陀倶楽部の存在を知りました。
ーー仏陀倶楽部を知り、得藏寺で得度しようと決意された経緯について教えていただけますか?
鈴子 僧侶になりたいという願いは、もう10年以上前から私の心の根底にありました。そして、その機会がやって来たと感じたんです。まるで新しい発見のように「こんな素晴らしい場所があったのか!」と驚きました。その新鮮な驚きとともに、「これは絶対にやるべきだ!」と強く感じたんです。
得藏寺という寺院、仏陀倶楽部というコミュニティについて、多くを調べました。得藏寺がどこにあるのか、仏陀倶楽部が何を目指しているのかなど、様々な情報を集め、すべてが納得のいく、信頼できる情報だったので、得度をすることに対して心からの信頼と期待を感じていました。
得度への過程が大きな自己成長につながる
ー具体的にどのような内容から信頼と期待を感じたのですか?
鈴子 仏陀倶楽部が掲げる「誰でも僧侶にします」というキーワードが強く心に響きました。このような主張を公然としている場所は他にはありません。
私が以前、僧侶になりたいという想いをある僧侶の方にお話しした際に、そこで僧侶になるには特定のお寺との関係も必要である。ただ真剣に望むならば支援すると言ってくれたことがあります。浄土真宗に対しても強い興味があったため、もし他にご縁がなければ、そちらにお願いするしかないかと思っていました。
しかし、仏陀倶楽部を知ったことで、僧侶になるための具体的な方法が明確になり、それが実現可能であると感じたんです。そのため、積極的に行動に移すべきだと感じました。
実際、僧侶になるためのリスクやハードルはあると思いますが、仏陀倶楽部ではその課程で得られる経験や教えの価値を高く評価しており、それが私を動かす大きな動機となりました。
ただ、仏陀倶楽部に問い合わせた後のプロセスが容易ではないことも理解しています。自身を内観してレポートを作成するという自学の過程は、多くの人にとって大きなハードルです。
しかし、そのような試みを通じて、自己理解を深めることができるのです。仏陀倶楽部の活動が一見見えにくいかもしれませんが、私自身はその過程を通じて多くを学び、満足しています。
ーーレポートの作成が修行の一環のように感じると話に出ましたが、そのプロセスで特に難しいと感じた点や、良かったと思う点があれば教えてください。
鈴子 クライアントへの日頃のセッションの内容や、
ブログで心理学や仏教の教えについて書くことは簡単ですが、自分自身の深い内面を掘り下げ、それを仏教と関連付けて表現することはとても困難でした。
得度に向け提出すべきレポートをもっと頻繁に書けるだろうと思っていましたが、実際には思った以上に行き詰まることがありました。
しかし、自分が書いた文章を読み返すと、私の経験や仏教の教えが、私自身だけでなく、クライアントにも実生活で役立っていることを再認識しました。
たとえば、「これは仏教の教えだったのか」とか、「これもお釈迦様がおっしゃっていたことだ」といった発見は、以前から知ってはいたものの、その意味を改めて強く感じる機会となりました。
このように、内観とレポート作成のプロセスは大変ではありましたが、私の理解と実践を深める上で非常にプラスに働きました。
得度の前後での変化と日々の学び
ーー改めて仏教を学びを始めた際に、どのようなことを学び始めましたか?
鈴子 新しく学び直すことになった時に、私が最も多く購入したのは親鸞上人に関する書籍でした。
もともとは仏教全般について学んでいたのですが、特に浄土真宗の教えに焦点を当てたわけではありませんでした。しかし、仏陀倶楽部と関わるようになってから、親鸞上人について、彼の教えがどのように広まったのかについて深く掘り下げるようになりました。
それから、親鸞上人の教えに関する書籍をいくつか購入し、その教えについてさらに詳しく知ることができました。親鸞上人の250年誕生祭には京都まで足を運び、その大切な記念行事を体験しました。
ーー親鸞聖人の教え、特に正信偈や教行信証といった教えについてはどのように学ばれましたか?初めて接する方にとっては難しいと感じられることもあるかと思いますが、鈴木さんにとってはいかがでしたか?
鈴子 私が最初に正信偈に触れたのは、実は漫画を通じてでした。漫画での親しみやすい説明を経て、正信偈の本文に取り組んだので、理解が深まりました。
漫画で基本的な理解を得た後に実際の活字のテキストに進むと、さまざまな点がつながり、非常に理解しやすかったです。
正信偈に関しては、多くの方が書籍を買っても理解に苦しむと聞きます。確かに、いきなり活字のテキストだけで理解しようとすると、難易度が高く感じるかもしれません。しかし、私の経験上、視覚的な材料から入ると、その後の学びがぐっと楽になると感じています。
ーー得度後、日常生活における変化について教えていただけますか?
鈴子 得度後にはいくつかの変化がありました。特に剃髪したことで、私は自分が髪の毛にどれだけストレスを感じていたかに気付かされました。
外見に対する他人の評価という外的圧力から解放されたことで、日常が驚くほど楽になりました。
例えば、産後の毛質の変化や湿気でうねる髪を整えるために美容院に頻繁に行ったり、高価なパーマをかけたりするストレスがなくなりました。定期的に髪を剃る必要はありますが、それは以前感じていたストレスとは比較にならないほどです。
仕事面では、剃髪姿になってから、相談に来る人々の反応が変わりました。
Zoomを通じた無料の相談が多いのですが、剃髪姿を見ることで、相談者は私に対してより深い信頼を寄せ、感情を開示しやすくなったようです。以前と同じような相談内容でも、涙を流す人が増えました。
僧侶という存在が人々に特別な意味を持っているようで、それによって私自身もより責任感を持って行動するようになりました。僧侶としての生き方や振る舞いに対して自覚が深まり、それが私の生活の質を高める方向に影響を与えています。
執着と自己肯定感の関係
ーー髪を剃ることで、物質的な部分に対するストレスがなくなったとのことですが、それは執着がなくなったということでしょうか?
鈴子 はい、剃髪することで、私は自分が以前どれほど髪の毛に執着していたかを実感しました。それがなくなった今、その軽やかさに驚いています。
正直なところ、僧侶になると剃髪することについてよく尋ねられていましたが、私自身はそれを通じて、自分の決意を固めるための一歩と考えていたんです。
実際に剃髪してみると、以前抱えていた外見に対する不安やプレッシャーが全くなくなりました。これは単に周囲の評価が変わるということではなく、私自身の内面における大きな変化です。
今では、髪を伸ばすという概念自体が私の中から消え去り、そのスタイルを続けることに何の抵抗も感じません。それどころか、肌を傷めずに剃髪する方法や、より良い剃刀を探すことに新たな関心を持ち始めています。これは、私が以前は想像もしていなかったことで、今はそれが新しい日常の一部となっています。
ーー執着が消えるというのは、自己肯定感の向上と関連していますか?つまり、剃髪によって得られた自由感が自己肯定感に繋がっていると見て良いのでしょうか?
鈴子 確かに、あるがままの自分を受け入れるというのは、自己肯定感を高めることに直結します。
剃髪をしたことで、「自分はこうあるべきだ」という外からの圧力や、自分自身が作り上げた価値観、観念から解放されたのを感じます。この変化は、私が以前から伝えてきたことで、実際に自分自身が経験してみて、その真実を深く実感しました。
私の経験から、自分で自己解決できるということ、自分をそのままで許すことができれば、自己肯定感は自然と高まります。剃髪したことで、私は誰にも迷惑をかけていないし、誰かに何かを言われる理由もないという自由を感じています。これは自己完結的な幸福感であり、想像を超えたものです。
他人には理解できないかもしれませんが、自分でやってみることで得られるものがある。見た目の変化を通じて、自分のあり方について考えるきっかけになりました。自己肯定感は、自分が自分に設けている条件をなくすことで上がるんです。剃髪した私は、その条件を完全になくすことができました。
他力本願の本当の理解
ーー日々の生活やお仕事の中で、特に意識している仏教の教えや親鸞聖人の考え方があれば、お聞かせください。
鈴子 日々心掛けているのは「他力本願」の教えですね。
私はかつては自己中心的な生き方をしており、全てを自分の力で何とかしよう、自分で解決しようとしていました。しかし、そのようなエゴに基づいた生き方は、世界を狭くし、自分自身を制限していたのです。
過去には他力本願を全く異なる意味で捉えていましたが、浄土真宗を学んでから、「委ねる」という教えの真の意味を理解し始めました。委ねることの難しさ、自分を失うような恐怖感があるかもしれませんが、それを超えた時、人は真の意味で解放されると感じています。
真の自我は、外見上の不安定さや脆さとは違うものです。大きな力に真に委ねることができた時、自己中心的なエゴから解放されて、他人への利他の気持ちが自然と芽生えるものだと信じています。それは自分だけの幸せではなく、他者の幸せにも目を向ける心境へと導かれるのです。
得度によって得られた仕事での変化
ーーお仕事では様々なクライアントがいらっしゃると思いますが、どのような悩みを持っていらっしゃる方が多いのでしょうか?
鈴子 私の仕事は、自己変革を望んでいる人々に寄り添い、彼らが目指す結果へと導くパートナーとしての役割を担っています。クライアントには、自己愛が足りず、過去のトラウマに苦しんでいる方や、人生において幸せを感じられないという方が多くいらっしゃいました。
しかし、ここ最近はクライアント層に変化が見られています。
以前はより深刻な問題を抱えている方が多かったのですが、今では「もう少しで変われる」と感じている方や、もう一歩踏み出したいと考えている方が増えてきています。最終的な確認や、確かな知識を身につけたいというニーズも見られます。
無料セッションを通じて、人間関係や家族関係、お金や仕事などの具体的な相談から、より抽象的な悩みへとシフトしてきています。世界を良くするために自分に何ができるのか、何をすべきなのかといった質問が増えています。この変化は、社会全体の意識の変化を反映しているのか、それとも私自身の意識が変化しているために、同じような意識の人々と出会う機会が増えているのかもしれません。
ーー現場でそのように感じられるのは、希望の兆しとも言えるでしょうね。
鈴子 はい、確かに私はその変化を強く感じています。私の活動を根っからの草の根運動と捉えており、個人の変化が周囲に与える影響については、自分が中心となって生きる世界での変化と見ています。
具体的な影響の範囲を定めることはしませんが、自分の変化が周りに何らかの影響を与えることを信じ、その思いで続けてきました。
最近、意識の変わった人が増えていることに気づき、これは非常に嬉しい変化です。相談の場でも「本当に嬉しい」と感じる瞬間が増え、同じ思いを持つ仲間が増えていることに喜びを感じています。また、私自身も年を重ねるごとに、かつて低かった自己肯定感が上昇しており、以前はその低い自己肯定感に苦しんでいたことを笑い話にできるほどになりました。
自己肯定感マスター 翠乃絵里子
オリジナル自己肯定感向上法「コウテイ術」
公式ホームページ:https://www.ktj.link/index.php
得度を考えている方、仏教に興味を持っている人へ
ーー僧侶になることに関心はあるものの、まだ問い合わせに至っていない方々へ、何か助言やメッセージをお持ちですか?
鈴子 私が伝えたいのは、興味を持ったなら、恐れずに一歩を踏み出してみることです。
万が一、期待と違っていたら、辞める選択もあります。自らに設けたハードルを高くする必要はないのです。多くの人が仏教の学びを難しく考えがちですが、実際には自分の思い込みによるものかもしれません。まずは行動を起こしてみれば、思い描いていた世界とは異なることに気づくかもしれません。
仏陀倶楽部の基本的な目的は、「僧侶になりたいと思う人を誰でも僧侶にする」ということです。
愛葉代表も僧侶となり、その結果、自分自身が楽になったと感じたと書籍の中でも書かれています。
もし楽に生きたい、幸せになりたい、自分を変えたいという願いがあるならば、試してみる価値はあります。予想外に素晴らしい世界が広がっているかもしれません。
何も行動を起こさなければ、日々の生活は変わりません。私の提供するメソッドも同様で、勇気を持って決断しなければ変化はありません。変わりたいと願いつつも、現状維持の方が楽だと感じる防衛本能が働くのです。しかし、変化に踏み出した人だけが新しい世界を体験することができます。いい世界があなたを待っています。
ーー最後に、この記事を読まれる方々へ、何かメッセージをお持ちでしたら伺いたいです。
鈴子 人生は楽しんだもの勝ちです。いくらでも自分は変われるということを信じています。
人生を否定的に捉えていた自分が、こんなにも変化するとは思っていませんでした。
そういった変化は誰にでも可能です。変わろうとする意志があれば、既に変化の過程にあるとさえ言えます。
しかし、変わり始めた自分に対する抵抗や、周囲からの反応、過去の苦しい経験との対峙などによって、時には進めなくなることもあります。それを乗り越えた先には、見えない世界が広がっています。その新しい世界を楽しむことができれば、人生は充実します。
同じ出来事をどのように捉えるかによって、経験の質は大きく変わります。すべては自分次第です。その気づきがあれば、人生はより楽しくなるはずです。
自分を変えるチャンスは誰にでもあります。特に、自由に発信でき、多様な選択が可能な国である日本は、それを行うには恵まれています。しかし、自分や他人を傷つける行為は、因果の法則によって自分に返ってくるので、その点は注意が必要です。苦しい時には助けを求めることができる国にいることも、ありがたいことです。