「60歳で独身。部屋を何件も断られました」
60代の男性の方から、こんなお便りをいただきました。
60歳で独身です。何年も部屋を借りようとしても、何件も断られました。そのうちに、自分には価値がないのかと感じるようになってしまいました。
高齢の方がお部屋を借りにくい、ということが最近ニュースになっています。このご相談も、まさにそのお悩みでした。
貸す側にも事情があるのは、わかる
貸す側の方にも、いろいろなお考えがあります。独身で、ご高齢で、この先どうなるかわからない。そう思って貸せないというのも、わかるのです。
ただ、そこにご自身の価値を重ねるのは違うのかな、と思うのです。
起きたのは「部屋を借りられなかった」という、それだけのこと
まず、現実に起きたことを見てみましょう。年齢を重ねていて、お部屋を借りることができなかった。ただ、それだけのことですよね。
そこに、自分の価値はどうなのか、自分には生きている意味がないのか、といったことまで重ねていく必要は、まったくありません。そこに付随してくる気持ちは、いったん切り離して考えることが、とても大切です。
借りられる道は、まだある
借りられないと言っても、借りられるところもありますし、保障制度のようなものもあります。現実は現実として、しっかりお調べになって、ちゃんと借りられるといいですね。
問題があるとすれば、「自分は価値がないのかな」と思ってしまうことのほうです。
自分を責めてしまう心の動きは、よくわかる
何かを断られると、自分を責めてしまう。その心の動きは、とてもよくわかります。
でも、「ダメ」と言われたときは、自分自身に価値がないと思うのではなく、「そのダメな理由は、また別にあるんだ」と考えてみてください。借りられなかったから、何かができなかったから、価値がない。そうではないのです。
生きているだけで、十分に価値がある
私たちには、それぞれに命があります。生きているだけで、十分に価値のある存在です。
生きていないと感じられないこと、生きていないとできないことは、たくさんありますよね。私たちは人として生まれてきて、この肉体を持つことで、経験できることがたくさんあります。できないからダメなのではなく、経験できること自体が素晴らしいことなのです。
現実に起こっていることと、自分の命に価値があるかないかということを、一緒にしないこと。 これがとても大切です。
しっかりと現実を見て、対処できることはしていただいて、ご自身の価値があるかないかは、あなたが決めることです。自分には価値があるんだと、信じてみてください。必ず良い方向に行くと思います。
ひとりで抱えこまないで
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この記事をお話しした人
竹下暁蓮(たけした ぎょうれん)
ヨガを続けながら仏門へ。病と、大切な人の喪失を経て、あなたの今に寄り添う僧侶。
約550年つづく浄土真宗のお寺・慈徳山 得藏寺が運営する、誰にでもひらかれた、やさしい仏教の入口「仏陀倶楽部」でお話ししています。




















僧侶、著述家、宗教法人得藏寺 代表役員
愛知県名古屋市出身。浄土真宗大谷派である名古屋大谷高校業後、20歳で独立起業。自動車販売業、美容事業、飲食事業、リサイクル事業と、次々に事業を立ち上げる。
独立起業後10年を経て自身の中に湧きあがる疑問と向き合うため、事業を整理し、ヨーロッパを中心に世界30カ国以上を旅する中で、多くの宗教や文化、習慣や常識の違いに触れる。
「人は生きているだけで毎日が修行」という考えに至り、時代が変化しても自然淘汰されない“在り方”を仏教に見出す。
現在は誰もが「得度」し、僧侶になれる機会を提供している。
信念は、「人生を変えるのに修行はいらない」
愛葉宣明 著 『仏陀経営』ほか
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