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和顔施はまず形から――還暦を前に始めた笑顔の習慣

和顔施はまず形から――還暦を前に始めた笑顔の習慣

書いた人:仏陀倶楽部 会員

毎朝、鏡に映る自分の顔が仏頂面になっている。年齢を重ねるにつれて、以前よりも表情を動かす機会が減ったと感じることはないでしょうか。仏教には、穏やかな表情や笑顔で人に接する「和顔施」という教えがあります。しかし、笑顔で接しようと思っても、自然に表情をつくるのは意外と難しいものです。

鏡に映る自分の仏頂面

還暦を前にして、気づいたことがあります。毎朝、顔を洗って鏡で自分の表情を見ると、そこには仏頂面の自分がいるのです。

私は喜怒哀楽が激しい方ですが、この年齢になると、自分の感情を波立たせることも日々少なくなってきます。感情が動かなければ、表情も動かない。それが仏頂面の原因なのかもしれません。

ところで、仏頂面という言葉には「仏」が入っています。そこで、その由来を調べてみました。仏頂面の「仏頂」とは、仏頂尊に由来するとされています。仏頂尊は、仏の頭頂部に象徴される尊格で、密教において信仰されてきました。その尊格の面相にたとえたものが「仏頂面」だという説があります。

「仏」に由来する言葉でありながら、現代では「不機嫌」「不愛想」といった意味で使われています。

笑顔をつくるのも、意外と難しい

実際、年を重ねると、若い頃に比べて表情を大きく動かす機会が減っているように感じます。そこで、自分の表情がこわばっていないか、乏しくなっていないかを確かめてみることにしました。

試しに、1分間だけ口角を上げて笑顔をつくってみてください。意外ときつく感じる方もいるのではないでしょうか。頬骨の下あたりに、筋肉痛のような疲れを感じることもあるかもしれません。

表情を動かす機会が減ることで、顔の筋肉を動かしにくく感じることもあるのでしょう。それもまた、仏頂面につながる一因なのかもしれません。

和顔施も、まずは形から

仏教における布施の一つに「和顔施」があります。周りの人に穏やかな表情や笑顔で接することによって、場の雰囲気を和ませるというものです。

しかし、自分の表情がこわばっていたら、それもなかなか難しいでしょう。そこで最近、私は意識して口角を上げ、笑顔をつくるようにしています。

道を歩きながら練習することもできます。もちろん、人目が気になるので、少しずつ試しています。その結果、日々、表情のこわばりが和らぎ、顔の痛みも気にならなくなってきました。

すると、以前よりも自然に笑顔になれることが増えたように感じます。もちろん、笑顔は形だけで完成するものではありません。それでも、まず表情を動かしてみることが、心のあり方を見つめ直すきっかけになるのかもしれません。

和顔施も、まずは形から入るのも良いかと思います。これから迎える晩年を、少しでも笑顔豊かなものにしたいと思います。

監修者 「愛葉 宣明」

僧侶、著述家、宗教法人得藏寺 代表役員
愛知県名古屋市出身。浄土真宗大谷派である名古屋大谷高校業後、20歳で独立起業。自動車販売業、美容事業、飲食事業、リサイクル事業と、次々に事業を立ち上げる。
独立起業後10年を経て自身の中に湧きあがる疑問と向き合うため、事業を整理し、ヨーロッパを中心に世界30カ国以上を旅する中で、多くの宗教や文化、習慣や常識の違いに触れる。
「人は生きているだけで毎日が修行」という考えに至り、時代が変化しても自然淘汰されない“在り方”を仏教に見出す。
現在は誰もが「得度」し、僧侶になれる機会を提供している。

信念は、「人生を変えるのに修行はいらない」

愛葉宣明 著 『仏陀経営』ほか
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