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物事は起こすのではなく起きるもの

生老病死とは

ボクたちは生きている間に起こるできごとは「自力」で起こしていると考えがちです。

でも、親鸞は「物事は“起こす”のではなく“起きる”もの」としています。

これはつまり、自力で起こせるものと、自分ではどうにもならないことの区別をしっかりつけて、自分の心の動きを見失わないようにせよということです。

世の中には「自力」ではどうにもならないことがたくさんあります。

ちょっと考えてみても、生まれてくる家族は選べないし、どの国のどの時代に生きるかも自分じゃ決められない。

どんな学校に行ってどんな会社に就職するかは、一見すると自分で選んでいるように思えますが、それだってさまざまな状況が重なって、縁があって決まることが多いもの。

仏教では「生老病死」、つまり、生まれること、老いること、病気になること、そし て死を迎えることは、避けることのできない根源的な四つの「苦」だとされています。

この世に生まれてくることは、自分でどうにかできることではありません。 また生まれたからには、誰でも100パーセント、いつかは死を迎えます。

病気になったり老いたりすることは、もしかしたら、運動をしたり食事に気を使ったりすれば、どうにかなることだと考える人もいるかもしれません。

しかし、いくら用心したところで、完璧な健康と若さを永遠に維持することはできないのです。

すべてのできごとを「自分で起こした」と考えていると、たとえば病気になったときに「なんで自分が……」とショックを受けて、自分を責め、無気力になってしまうことだって考えられます。

ボクは、【大好きだった叔父の死で人生が変わった】でお話ししたように「自分の死を意識すること」は、今を充実させ ることに加え「自分の力ではどうしようもないことがある」と自覚するのに最適な手段だと考えています。

親鸞は、避けることができないことは起こるに任せ、どうやって生きるのかは自分で決めようと説いています。

そして、「生老病死」のような、どんな人でも避けられないことは受け入れる。

生まれること、老いること、病気になること、命が尽きることは、誰にでもいつかは「起こるものだ」と考える。

そうすることでムダに抗うことなく、冷静にそのときのベストを考えられるのです。



仏陀倶楽部 代表
愛葉 宣明(あいば のぶあき)
法名:釋 明徳

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