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大切な人の死から学ぶ人生の意味

大切な人の死から学ぶ人生の意味
目次

はじめに:死との初めての対面

皆さん、こんにちは。今日は少し重いテーマについてお話しします。人生には避けられない出来事がいくつかありますが、その中でも特に大きな影響を与えるのが、身近な人との死別ではないでしょうか。私が初めて「死」を強烈に意識したのは、大好きだった叔父を亡くしたときでした。この経験は、私の人生観を大きく変えることになり、生きることの意味を深く考えるきっかけとなったのです。

叔父との絆:人生の師としての存在

私の叔父は、祖父の弟で、祖父と同じく商売の道を歩んでいました。子供の頃から、叔父は私にさまざまなことを教えてくれました。無駄を嫌う合理的な考え方や、既存のものを有効活用する工夫など、ビジネスの基本となる知恵を惜しみなく伝授してくれたのです。

特に印象に残っているのは、「お客様の立場に立って考えろ」という言葉です。この教えは、後に私が自分でビジネスを立ち上げた際にも大いに役立ちました。苦しい状況に陥ったとき、叔父から学んだ顧客第一の姿勢や創造的な問題解決の方法を思い出し、乗り越えることができたのです。

感謝の気持ち:ハワイ旅行の思い出

叔父への感謝の気持ちを込めて、私は叔父夫妻をハワイ旅行に招待しました。「この景色を見せたい」「あれも食べてもらいたい」と、心を込めてあちこち案内しました。二人の笑顔を見ているだけで、私も幸せな気分になりました。特に、ワイキキビーチで見た夕日は今でも鮮明に覚えています。叔父が「こんな景色、見られて幸せだよ」とつぶやいた言葉が、今では大切な宝物となっています。

しかし、人生はときに残酷なタイミングで私たちを驚かせます。その美しい思い出がまだ新しいうちに、私たちは予期せぬ試練に直面することになったのです。

突然の診断:すい臓がんとの闘い

帰国直後、叔父はすい臓がんと診断されました。日本膵臓学会の統計によると、すい臓がんの5年生存率は約8%(2017年データ)と非常に厳しいものです。早期発見が難しく、進行が速いのが特徴で、私たちはその現実と向き合わざるを得ませんでした。

診断からの半年間、私は仕事の合間を縫って叔父の看病に通いました。毎日の食事時に2階から抱きかかえて降ろすのが日課となり、日に日にやせ細っていく叔父を目の当たりにする辛さは言葉では表現できません。それでも叔父は最後まで前向きな姿勢を崩さず、「お前が来てくれるのが楽しみだ」と笑顔を見せてくれました。その強さに、私は何度も励まされたのを覚えています。

死の瞬間:言葉にできない体験

半年後、叔父の容態が急変し入院することになりました。私は可能な限りそばにいることを決意し、仕事の調整をしてほぼ毎日病院に通いました。そして、ついにその時が訪れました。看病する私の手を握りながら、叔父は息を引き取ったのです。

これまでも親族の死は経験していましたが、このときほど強烈に「人はいつか死ぬ」という事実を実感したことはありませんでした。目の前で生命が消えていく瞬間を目撃し、その静寂と重みは今でも鮮明に覚えています。それは恐怖であると同時に、生命の神秘さを感じる瞬間でもありました。

遺骨との対面:さらなる衝撃

火葬後、叔父の遺骨を手にしたときの衝撃は今でも鮮明に覚えています。毎日抱きかかえていた人が、小さな骨壺に収まってしまう現実。肉体の消滅と存在の喪失を目の当たりにし、人間の儚さを痛感しました。

この経験は、私に深い死への恐怖を感じさせました。「いつか自分もこうなるのだ」という認識が、心の奥底に重くのしかかりました。その結果、私は一時的に放心状態に陥り、約8キロもの体重減少を経験しました。日常生活を送ることさえ難しくなり、「生きる意味」を見失いかけたのです。

喪失からの回復:新たな人生観の芽生え

叔父の死のショックから立ち直るのに、約3カ月かかりました。この期間は、私にとって重要な内省の時間となりました。徐々に日常を取り戻していく中で、叔父との思い出を振り返り、彼から学んだことを改めて噛みしめました。

そして、いくつかの重要な気づきを得ることができました。まず、生命の儚さと尊さです。一瞬一瞬が貴重であり、取り返しのつかない時間であることを痛感しました。次に、日々の瞬間を大切にすることの重要性です。当たり前に過ぎていく日常こそ、実は最も価値あるものかもしれません。そして、感謝の気持ちを表現することの大切さです。叔父へのハワイ旅行のプレゼントが、結果的に最後の素晴らしい思い出となったことに、深い感謝の念を抱きました。

まとめ:死から学ぶ生きる意味

叔父との別れは私にとって痛ましい経験でしたが、同時に人生に対する新たな視点も与えてくれました。大切な人との時間を意識的に過ごすこと、自分の人生の目的を見直すこと、そして死を意識することでより充実した生き方を模索すること。これらの気づきは、私の人生に大きな変化をもたらしました。

皆さんも、身近な人との関係を大切にし、日々の生活に感謝の気持ちを持って過ごしてみてはいかがでしょうか。それが、私たちに与えられた限られた時間を最大限に生きることにつながるのではないでしょうか。死を恐れるのではなく、死を見つめることで、逆説的に生をより深く、より豊かに生きることができるのだと、私は信じています。

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