正信偈の中にこのような一節があります。
“広由本願力回向 為度群生彰一心”
解釈としては、
“本願力の廻向によってすべての者を救うために、一心、すなわち他力の信心の徳を明らかにされた”
となる一節です。
更に解説を加えると、本願力とはもちろん阿弥陀如来の18の誓願を指しており、すべての者をお救いになるというものです。この阿弥陀如来の誓願を信心する事が衆生を救う他力の力であると初めて説いたのが、七高僧の一人、天親菩薩でありますよと言う親鸞聖人の教えであります。
この度、私は仏陀俱楽部において得度いたしました。
晴れて徳藏寺の僧となれました。
その際頂いた法名が、釋彰心(シャクショウシン)
正信偈内の天親菩薩が阿弥陀如来の本願力こそが我々衆生を救うと他力信心の基礎を伝えてくださったという一節より名を頂き、特に為度群生彰一心という部分から、“信心をあきらかにする人”という意味を込めていただきました。
私自身、医療、福祉、農業に至るまで、対人援助を追求してきました。
その中でも農業を通じ、他力の本質を知る事ができたと思っています。
そして改めて私自身が社会的貧困状態にある人たちに、他力の本質を伝え手を差し伸べる事業に従事したいと考えています。
人は独りで生まれ、独りで死にます。
しかし生きる過程には森羅万象の影響を必要とします。
そもそも生まれる死ぬも森羅万象の影響なくては語れません。
それは時に思い通りであり、思い通りではない影響です。
これを他力としたとき、それら他力により一切皆苦にもなり、涅槃寂静にも至れる。
すべては一つであり完璧である事を知り、他力に身を任せる事が、個人を生きるという事である。
この仏教における生きるコツを信心とし、あきらかにしていきたいという思いに改めて至りました。
南無阿弥陀仏