先日、お客さまのAさんが、ある会社のサービスについて「Bさんは特別なことをしてもらっているらしい。私にも同じようなサービスを提供してほしい」と不満に思っていることを口にしました。
しかし私から見ると、その会社がAさんとBさんに行っているサービスに大きな違いはなく、たまたまBさんにやったことが、タイミングよく成果につながっただけのように見えました。それにもかかわらず、AさんはBさんと自分を比べることで、不満を抱き、自らを苦しめているようでした。
この出来事から、私は親鸞聖人の教えを思い出しました。人は皆、煩悩に満ちた存在であり、自分では気づかぬうちに、比較やねたみの心を抱いてしまいます。そうした心を無理に消そうとするのではなく、「そういう私」もまた阿弥陀仏に救われるべき存在であると受け入れることが、浄土真宗における他力の教えです。他人と比べて不足を感じる状況はとても苦しい。
ですから、今の自分のいのちや、ご縁に目を向ける生き方が、安心と感謝につながるのではないか、とあらためて思った次第です。
















