書いた人:釋知高
お金の不安が広がる中で、多くの人が「どう貯めるか」に関心を向けています。一方で、貯めたお金を何に使うのか、体験や日々の暮らしにどう活かすのかは、意外と考えられていないのかもしれません。本レポートでは、ファイナンシャル・プランナーとしての相談や授業の現場から見えてきた、お金との向き合い方を考えます。
「貯め方」ばかりが気になる現場で
私はFP(ファイナンシャル・プランナー)として仕事をしています。個人のお客様の相談に乗ったり、学校で子どもたちに金融教育の一環として「お金の授業」を行ったりすることが主な仕事です。
その中で感じることは、「みんなお金を少しでも多く貯めたがっている」ということです。若い方は、「結婚資金」「住宅資金」「教育資金」を、年配の方は「老後資金」をどうやって貯めたらいいのかで悩んでいます。中学生や高校生も、漠然と将来のお金の不安を抱えていて、どうしたらお金を貯められるのかを知りたがっています。
もちろん、FPとして知識をお伝えし、お金を貯めるための方策を一緒に考えます。キャッシュフロー表を作ることもあります。けれども最近、何か違和感を抱く場面が多くなっています。
お金の使い方は考えられているか
その違和感の正体が見えてきました。ほとんどの方が、「お金の貯め方」は考えるけれど、「お金の使い方」をあまり考えていないようなのです。結婚や子育て、住宅ローンなどは意識している方が多いですが、それ以外の日常でのお金の使い方は、あまり考えていないように感じます。
当たり前ですが、お金は使って初めて価値が生じます。今後インフレがさらに進んでいけば、お金を貯めておいても、価値は少しずつ低下していきます。人生が終わる時に、お金を持って行くことはできません。
また、ものの価値はわかりやすいですが、体験の価値の重要性は、あまり認識されていないようにも感じます。形に見えないものの中にも、お金をかける意味があるものは多い。そのことも、伝えていきたいことの一つです。
自分のために使うことへのためらい
FPとして、「お金の使い方」をきちんとレクチャーしていく必要があるのではないかと考えるようになりました。子育て世代の皆さんの中には、自分のためにお金を使うことに罪悪感を持っている方がいます。高齢になると、子どもや孫に財産を残すことを考えて、自分のためにはあまりお金を使わないと決めている方もいます。
「本当にそれでいいのでしょうか?」
そう問題提起をすることも、FPとしての重要な任務なのではないかと考えています。



















僧侶、著述家、宗教法人得藏寺 代表役員
愛知県名古屋市出身。浄土真宗大谷派である名古屋大谷高校業後、20歳で独立起業。自動車販売業、美容事業、飲食事業、リサイクル事業と、次々に事業を立ち上げる。
独立起業後10年を経て自身の中に湧きあがる疑問と向き合うため、事業を整理し、ヨーロッパを中心に世界30カ国以上を旅する中で、多くの宗教や文化、習慣や常識の違いに触れる。
「人は生きているだけで毎日が修行」という考えに至り、時代が変化しても自然淘汰されない“在り方”を仏教に見出す。
現在は誰もが「得度」し、僧侶になれる機会を提供している。
信念は、「人生を変えるのに修行はいらない」
愛葉宣明 著 『仏陀経営』ほか
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