書いた人:釋 孝運
日々の暮らしの中で、私たちはさまざまな人に支えられています。仕事では自然に口にできる「ありがとう」も、身近な家族にはなかなか伝えられないことがあります。本レポートでは、毎朝の妻とのやり取りや、現役時代に会社で唱和していた「感謝報恩の精神」を通して、感謝と思いやりの大切さを振り返ります。
家族に感謝、お客様に感謝
言葉に出せる感謝、無言の感謝。感謝の方法もいろいろありますが、特に当たり前のことと思っている家族への感謝こそ、忘れてはならないことではないでしょうか。
「ありがとう」の言葉を忘れない。お客様には日頃から簡単に出る言葉で、抵抗なく言えますが、家族には無言の感謝となってしまいます。
私が仕事に出るときに、玄関で妻は「気をつけて行ってらっしゃい」と毎回言ってくれますが、私は「行ってきます」の一言で手を振って後にします。言葉は少ないですが、いつも感謝をしています。
今も心に残る「感謝報恩の精神」
「思いやりの心」を忘れない。「感謝報恩の精神」。この言葉は、私の現役時代の会社において社訓として、毎日朝会で唱和していました。そして、その日の行動に反映するよう心に念じる習わしでした。
今もこの言葉が私の中に住み続けています。「感謝」をする方もされる方も、気持ちは穏やかになります。これは人も動物も植物にも当てはまります。前にも述べたことがありますが、花も野菜も人もみな同じだと思います。花は心を込めて育てるときれいな花を咲かせ、野菜はおいしく育ち、感謝して食す。人は相手に喜びを与え、心を穏やかにする。
すべての行いは「無財の法施」につながっていることだと思っています。これからもこの「感謝報恩の精神」を忘れずに生きていけるよう願っています。人の世はすべて「感謝」につながります。
南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏。




















僧侶、著述家、宗教法人得藏寺 代表役員
愛知県名古屋市出身。浄土真宗大谷派である名古屋大谷高校業後、20歳で独立起業。自動車販売業、美容事業、飲食事業、リサイクル事業と、次々に事業を立ち上げる。
独立起業後10年を経て自身の中に湧きあがる疑問と向き合うため、事業を整理し、ヨーロッパを中心に世界30カ国以上を旅する中で、多くの宗教や文化、習慣や常識の違いに触れる。
「人は生きているだけで毎日が修行」という考えに至り、時代が変化しても自然淘汰されない“在り方”を仏教に見出す。
現在は誰もが「得度」し、僧侶になれる機会を提供している。
信念は、「人生を変えるのに修行はいらない」
愛葉宣明 著 『仏陀経営』ほか
コラム一覧 → こちら