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弥勒菩薩とは?どんな人なのか分かりやすく解説・ご利益や半跏思惟像が祀られている寺院も紹介

皆さん、これまでに弥勒菩薩という名前を聞いたことがありますか?

何となく仏教に関連する人物なのであろうということは知っていても、弥勒菩薩がどんな人なのか詳しく知っている人はそう多くないでしょう。

弥勒菩薩は仏教において重要なキーパーソンです。弥勒菩薩を知ることで、仏教により興味を持つことができるでしょう。

この記事では弥勒菩薩が仏教においてどのような存在なのか、どんな人なのかを分かりやすく解説します。合わせて、弥勒菩薩の伝承や寺院に祀られている弥勒菩薩のご利益、拝観できる有名な寺院も紹介します。

人生を豊かにする仏教について興味がある人や弥勒菩薩について知りたい人は、ぜひ最後まで読んでみてください。

弥勒菩薩とは

弥勒菩薩(みろくぼさつ)とは、仏教においゴータマ・ブッダ(釈迦牟尼仏)の次にブッダとして現れるとされている未来仏です。

仏教において、ブッダとは「悟りを開いた者」という意味です。仏教の教えを悟った最高位の存在であり、開祖である釈迦を示す言葉としても知られています。

ちなみに、釈迦の名前はサンスクリット語でガウタマ・シッダールタ、パーリ語ではゴータマ・シダッタと発音され、ゴータマ・ブッダはパーリ語由来で釈迦を示しています。

仏教では、悟りを開いた高僧は涅槃(あらゆる煩悩が消滅し、肉体を捨てて迎え悟りの世界に入ること)に入ると言われており、これを入滅と呼びます。

釈迦の入滅後、56億7,000万年後の世界に現れるとされているのが弥勒菩薩です。弥勒菩薩は未来の世界で、悟りを開き人々を救う存在であると説かれています。

弥勒菩薩は現在、天界のひとつである兜率天(とそつてん)で、来る未来のために修行を行っているといわれています。兜率天には内院と外院があり、外院にはさまざまな神様が住んでおり、弥勒菩薩は内院で説法をしていると説かれているのです。

【分かりやすく解説】弥勒菩薩ってどんな人?

仏教の教えは奥が深く、初めて触れる人にはやや理解が難しい点もあるでしょう。続いては、弥勒菩薩についてより分かりやすく解説します。

弥勒菩薩がどんな人なのかを知りながら、仏教の教えに触れてみましょう。

弥勒菩薩の梵名と読み方

梵字とはサンスクリット語を意訳したもので、仏教と非常に重要な結びつきを持っています。

そもそも、サンスクリットは古代インドで発展した言語であり、仏教の教えの多くがサンスクリット語で説かれています。つまり、サンスクリット語を現代版に訳したものが梵語と言えるでしょう。

弥勒菩薩の梵名(梵語で示される名前)はmaitreya(マイトレーヤ)です。ちなみに、サンスクリット語と同じく、古代インドで発展した言語・パーリ語ではmetteyya(メイテイヤまたはメッテッヤ)と呼ばれます。

梵名を知っておくと、これらの名前を見かけた時に弥勒菩薩のことを示していることが理解できるでしょう。

梵名に使われている「maitrī」という言葉は「慈しみ」という意味を持っているため、まれに弥勒菩薩のことを「慈氏菩薩(じしぼさつ)」と表記することもあります。こちらも合わせて覚えておきましょう。

弥勒菩薩は次のブッダになる人

仏教において、悟りを開きブッダとなったのは釈迦のみとされています。釈迦は仏教の教えのなかで、自分の次にブッダとなる人物が既に天界で修行をしていることを説きました。

釈迦という存在は光であり影でもあります。釈迦に救われた人々は、釈迦を失ってしまった未来を不安に思い憂うでしょう。

しかし、説法のなかでは未来に再び悟りを開くブッダが現れることを示しています。弥勒菩薩の存在は、釈迦のいなくなった世界に新たな希望の光があることを説いているとも捉えられます。

一方で、遠い未来の救いを示すことで、仏教の教えを永遠に守り続けることを説いているのかもしれません。そうして、釈迦の入滅後も仏教を信じる人々が互いを助け合い、想い合い、得を積んで来世で再び幸せに生きることを、釈迦は説いていたのではと考える人もいます。

弥勒菩薩は何年後にブッダになる?

仏教において悟りを開いた人は、肉体を捨てて天界に生きると言われています。実質的な死であるとも言えますが、仏教では入滅(にゅうめつ)と呼ぶので、ぜひ覚えておいてください。

仏教の教えでは、釈迦の入滅後56億7,000万年後に弥勒菩薩がこの世に現れ、悟りを開き人々を救うと示されています。

現在の歴史学では、人間の祖先であるホモ・サピエンスは約30万年前に誕生したと言われています。現代人の祖先にあたる猿人・アウストラロピテクスが誕生したのは700万年前です。

これらの数字から見ると、56億7,000万年がとてつもなく長い時間だということがお分かりいただけるでしょう。仏教の教えのなかでは、56億7,000万年という数字が示されていますが、なかには遠い未来を表す比喩なのではないかと考える人も少なくありません。

釈迦は現世に希望を残し、自身の入滅後に希望が失われることのないよう、遠い未来を示し尚且つ具体的な期限を教えに含めて説いていたのかもしれません。

弥勒菩薩の真言とは

真言(しんごん)とは、仏の説く真実の言葉です。サンスクリット語では「マントラ」と呼ばれています。

仏教において、真言は本来人間の言葉では表すことのできない真理を明らかにする言葉とされていますが、敢えて文字として表すことで観想(深く心を集中すること)し、仏教の教えに心を統一することを目的としているという説もあります。

真言は、仏と心を通わせるために唱える言葉です。それぞれの真言を唱えることで、仏によって異なる加護を得られると信じられています。

真言にはさまざまなものがあり、一例として以下が挙げられます。

大日如来オン アビラウンケン ソワカ
阿弥陀如来オンアミリタ テイセイ カラ ウン
薬師如来オン コロコロ センダリ マトウギ ソワカ
釈迦如来ノウマク サンマンダ ボダナン バク

弥勒菩薩の真言は「オン マイタレイヤ ソワカ」です。慈悲と緩和のエネルギーを宿している弥勒菩薩の真言には、「弥勒よ、すべての願いを成就せしめたまえ」という意味が込められているという説もあります。

オンは宇宙との調和を表しています。マイタレイカは弥勒菩薩のことを指し、ソワカは願いが成就するという意味です。

未来仏として人々に救いを与える弥勒菩薩に相応しい真言と言えるでしょう。

弥勒菩薩のご利益

仏様には、それぞれにご利益があると信じられています。現代では、ご利益のイメージが広く定着しており、加護を受けるために仏様に祈りを捧げる人も少なくないでしょう。

仏様にはさまざまな種類があり、弥勒菩薩を含む「菩薩」は天界において上から2番目に偉い地位を持つ仏様です。

如来が天界におけるトップ、そこから菩薩、明王、天と続きます。菩薩は如来になるための修行中の身、明用は悪事を働くものを制する者、天は仏教を守るために力を発揮する仏様です。

特に、菩薩は人々の願いを聞き届け、救いを与える存在と言われています。ご利益を願って祈る人の声も聞き入れ、困難を乗り越えるための力を授けてくれると信じられているのです。

弥勒菩薩のご利益は、民衆の救済です。さまざまな苦しみに苛まれ続ける民衆を救うための存在として、相応しいご利益と言えるでしょう。

困難を乗り越えるために手を貸してくれる他、罪を滅ぼすご利益もあると言われています。

弥勒菩薩像がある有名な寺院

弥勒菩薩を模した仏像にはさまざまなものがありますが、なかでも腰かけて組んだ右足に肘を置き、指先で自身の頬に触れている半跏思惟像(はんかしゆいぞう)が有名です。

穏やかな表情で、物思いに耽るようなその姿は、遠い未来にどのようにして人々を救おうかと考えているようにも見えます。

実は、足を組んでいるのにも理由があり、困っている人のためにいつでも立ち上がれるように身構えているからという説もあるのです。そんな弥勒菩薩像に直接祈りを届けたいという人もいるでしょう。

続いては、弥勒菩薩像が祀られている有名な寺院を紹介します。ぜひ、足を運んでみてはいかがでしょうか。

広隆寺(京都府)

広隆寺(こうりゅうじ)は、京都府京都市にある寺院です。歴史ある寺院として知られており創建されたのは603年(推古天皇11年)と日本書紀に記されています。ただし、広隆寺は818年(引仁9年)に火災によってさまざまな記録が焼失しているため、定かではありません。

広隆寺には「宝冠弥勒」「宝髻弥勒」と呼ばれる弥勒菩薩像が祀られており、共に国宝に指定されています。特に、宝冠弥勒像は他の仏像にはないアカマツ材で作られており、歴史的な意味は今も解明されていません。聖徳太子から賜ったとされる仏像なども拝観できるとされ、京都屈指の観光スポットのひとつです。

平安文化発祥の地とも言われており、多くの観光客が穏やかに佇む宝冠弥勒菩薩半跏思惟像を参拝しています。

広隆寺
住所〒616-81162
京都府京都市右京区太秦蜂岡町32
電話番号075-861-1461

中宮寺(奈良県)

中宮寺(ちゅうぐうじ)は奈良県生駒郡にある寺院です。1,300年続く寺院であり、飛鳥時代に創建されたと言われています。前述した広隆寺とは、僧寺(そうじ)と尼寺(にじ)の関係であったと考えられています。(中宮寺が、尼僧の取り仕切る尼寺であったと言われています。)

中宮寺に奉納されている有名な仏像として知られているのが「国宝菩薩半跏像」です。世界三大微笑像としても知られており、飛鳥時代の最高傑作とも名高い仏像のひとつとして多くの人が参拝しています。黒漆が施された国宝菩薩半跏像を見ていると、時が止まったかのような静寂が訪れるように心が静かになるという人もおり、世界的に高い評価を集めている仏像です。

特別展などがある場合は他の国宝と一緒に公開されることもありますが、中宮寺では基本的にいつでも国宝菩薩半跏像を参拝することができます。本堂にて安置されているので、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか。

中宮寺
住所〒636-0111
奈良県生駒郡斑鳩町法隆寺北1-1-2
電話番号0745-75-2106

弥勒菩薩は救済が永遠に続くことを象徴する存在

今回は、仏教におけるキーパーソンの一人・弥勒菩薩について紹介してきました。弥勒菩薩は、釈迦の入滅後、遠い未来の世界に現れ人々を不安や苦しみから救う存在として説かれています。

実際に、釈迦は本当に弥勒菩薩が遠い未来に現れるとして教えを説いたのかもしれませんし、永遠の象徴として56億7,000万年後という長い月日を示したのかもしれません。しかし、どちらにせよ私達の行うことは変わらず、善行を詰み輪廻転生のなかで善い生を巡ることです。

他人を慈しみ、時には手を差し伸べる心のゆとりや優しさを、永遠に持ち続けることを説かれているのかもしれません。

仏教では、興味深く、人生において幸せに生きるためのヒントが数多く示されています。現代に生きる中で、少し疲れてしまった時、億劫な毎日から抜け出すための術を見つけられるかもしれません。

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監修者 「愛葉 宣明」

僧侶、著述家、宗教法人得藏寺 代表役員
愛知県名古屋市出身。浄土真宗大谷派である名古屋大谷高校業後、20歳で独立起業。自動車販売業、美容事業、飲食事業、リサイクル事業と、次々に事業を立ち上げる。
独立起業後10年を経て自身の中に湧きあがる疑問と向き合うため、事業を整理し、ヨーロッパを中心に世界30カ国以上を旅する中で、多くの宗教や文化、習慣や常識の違いに触れる。
「人は生きているだけで毎日が修行」という考えに至り、時代が変化しても自然淘汰されない“在り方”を仏教に見出す。
現在は誰もが「得度」し、僧侶になれる機会を提供している。

信念は、「人生を変えるのに修行はいらない」

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