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執着を手放す方法とは?3つのシチュエーション別にご紹介

過去の恋愛からなかなか立ち直れなかったり、人間関係のしがらみを断ち切れなかったりすることにお悩みの方へ。この文章では、執着を手放す方法を恋愛・人間関係・物の3つに分けてご紹介します。

執着の定義

執着は仏教用語で『しゅうじゃく』と読み、事物に固執し、とらわれることや心に深く思いこんで、それから離れぬことを意味します。

執着は、英語のattachmentに似ているそうで、attachmentには『愛着』という意味もあります。また、執着には『煩悩』の三毒のうち、貪(とん、『むさぼり』)に近い意味もあるようです。

執着は悪い意味で使われるケースが多いですが、サンスクリット原語では『没頭すること』などポジティブな意味も持っています。

香山リカ氏の『執着 生きづらさの正体』という本によると、

「執着」が強い人には脳の中で何らかの「感情コントロールの障害」が起きているのではないか、ということがわかり始めているのだ。

私は、人なみ外れて「執着」する人には、「感情コントロールの障害」と、うつ病で見られるような「目先のことを悲観的にしか考えられない傾向」とが、両方起きているのではないか、と考えている。

と書かれています。

脳の調整(『島皮質』の活動の増大)には、後ほどご紹介する『慈悲の瞑想』が効果があるそうです。

恋愛に終止符を打つ方法

  • 恋人からもらった物を処分する

恋人からもらった物が部屋に置かれていると、目にするたびに過去の思い出がフラッシュバックしてしまいます。たんすや押し入れ、クローゼットなどにしまっても、頭の片隅に残ってしまい、何かの拍子に見つけてしまう可能性もあります。

もらった物は未練が残らないよう、ごみの収集日に思い切って捨ててしまいましょう。そうすれば、すぐには忘れられなくても、いつの間にか恋人との記憶が薄れていくはずです。捨てるのに抵抗がある場合、リサイクルショップやフリマアプリなどで販売する方法もあります。物を売って手にしたお金は、おいしい物を食べたり、自分へのご褒美を買ったりして、パっと使ってしまった方が良いでしょう。

  • メールやメッセージ、写真を削除する

プレゼントと同じく、恋人からのメールやLINEのメッセージ、写真なども、見るたびに付き合っていた当時のことを思い出してしまいます。ですので、過去を忘れたいときには、データを削除し、目に入らないようにした方が良いでしょう。

プリントアウトした写真や手書きの手紙などは、ビリビリ破いて捨てると、心がすっきりするはずです。破いたものはマッチの火などで燃やして灰にするか、ごみ袋に入れて捨ててしまいましょう。

  • 相手のSNSをチェックせず、連絡もしない

とくに、恋人に振られた場合、相手のことが忘れられず、新しい恋人はできたのかどうか、相手のSNSで動向をチェックしたくなるかもしれません。しかし、新しい彼氏や彼女と幸せになっている様子を見たら、嫉妬してしまう可能性大です。SNSで今いる場所をチェックして隠れて様子をうかがう、ストーカーのような行為をしてしまう可能性もあります。

心穏やかでいるためには、別れた後の恋人のSNSはチェックしないほうが良いでしょう。また、連絡をとれないよう、メールアドレスを削除したり、LINEの友達リストから削除したりすることをおすすめします。

  • 距離を取る

物理的な距離が近いほど、心の距離が狭まる、と『ボッサードの法則』ではいわれています。それとは逆で、相手を忘れたい場合は、なるべく距離を取った方が良いでしょう。

別れた恋人と家が近所だった場合は、遠くに引っ越しをする、付き合っていた相手が会社の上司や先輩、同僚だった場合は、異動を希望するか、会社を辞めれば、あまり引きずらずに済むと思います。

  • 慈悲の瞑想

お釈迦様が強く推薦する『慈悲の瞑想』は、自分を含むすべての生命が平等である、と心にインプットするプログラムです。

私は幸せでありますように

私の親しい生命が幸せでありますように

生きとし生けるものが幸せでありますように

私の嫌いな生命や、私を嫌っている生命も、幸せでありますように

アルボムッレ・スマナサーラ著『ブッダが教える 執着の捨て方』より

これらの言葉を繰り返し念じることで、生命はみんな自分と同じ存在だと感じられるようになるそう。失恋で傷ついた心も、きっと相手の幸せを願える心境へと変わっていくはずです。

  • 我慢せずに、感情を吐き出す

恋人と別れた後、何でもない風を装って、いつもと同じような感じで過ごそうと思われるかもしれません。そうすると、長く付き合っていればいるほど、心のどこかで感情を引きずってしまう可能性があります。

そんな心を吹っ切るには、泣いたり、叫んだり、ノートに感情を書きなぐって破り捨てたりすると良いでしょう。カタルシス効果で、心が軽くなるはずです。部屋が狭くて近所迷惑になる場合、カラオケボックスなど音が気にならない場所で試してみてください。

お皿割りなどでストレス発散できる施設もあるので、そういう施設を利用してみるのもありです。

  • カウンセラーなどに胸の内を聞いてもらう

友だちになぐさめてもらいたいけれど、恋愛がうまく行っていて幸せそうだから話しづらい、という場合、カウンセラーなどのプロに話を聞いてもらうのも良いかもしれません。

対面だと抵抗がある方は、恋愛に特化した電話相談窓口やオンライン相談窓口もあるので、利用してみてはいかがでしょうか。

人間関係の執着を手放す方法

  • 自己肯定感をはぐくむ

わたしは小さいころに親から褒められることが少なく、注意されることが多かったため、もともと自己肯定感が低めでした。

ですが、大学に現役で入学できたことや新卒で入った会社で15年勤務できたこと、海外1人旅を何回も行ったり、1人暮らしを10年したりしたことなどで、自分でもやろうと思えばできるんだ、という自信がだいぶ湧いてきました。

自分に自信がないと、ついつい人からどう思われているかを気にしたり、無理して好かれようとしたり、他人との距離感を計りかねて、トラブルを起こしたりしてしまいがちです。

経験が一番の自信につながると思いますが、肯定感を高める言葉を繰り返し自分に言い聞かせる『アファメーション』でも、自己肯定感を高めることが可能です。

  • 他人の反応を気にしない

LINEのグループに入っていると、ほかのメンバーの行動が見えてしまうため、自分以外で旅行や食事などに出かけたり、話が盛り上がったりしているのを見ると、どこか仲間外れにされたような気がするかもしれません。

でもそれは、仕事が忙しそうだから、今回は誘わないようにしよう、と思われた結果かもしれませんし、興味がなさそうだからほっておいてあげよう、と思われた結果かもしれません。

どうしても気になってしょうがないときは、しばらくスマホの電源を切って、LINEを目にしない方がいいと思います。落ち着いてきたら、「しばらく忙しかったので、連絡できなくてごめんなさい。また、イベントがあったら誘ってね!」などのメッセージをすれば、何らかの反応を返してくれるはずです。

  • SNSの投稿に一喜一憂しない

SNSに投稿したけれど、『いいね』ボタンが押されなかったり、コメントが書かれなかったりする。投稿内容やコメントへの返事は来たけれど、自分が書いたことが勘違いされて、落ち込む内容や悪意のある返事が書かれていることもあると思います。

そのような場合、すぐに反論したくなるかもしれませんが、アンガー・マネージメントの『6秒ルール』のように、しばらく間を置くことで、冷静になることができます。読み返してみると、自分が思い違いで受け取った可能性もあるかもしれません。

SNSの反応を気にしてイライラしてしまうときは、 SNSを開かないほうが良いでしょう。ついつい見てしまいそうになる場合、特定のページを開かなくするサイトブロックの機能を設定するのも有効です。

SNS以外のWebサイトを見ても一喜一憂してしまう場合、スマホの電源を落としてデジタルデトックスすることをおすすめします。

  • 1人はかわいそうではない

学生時代に友人が少なかった影響で、孤独になるのが怖く、自分のことを大切にしてくれない人に反対意見を言うこともなく、つながっていたことがあります。

しかし、社会人になるとともに、価値観は変化していきました。独身か既婚者か、子どもがいるかいないか、正社員かパートや主婦か、など。誘ってもらえるのがうれしくて、毎回、食事会に参加していたのですが、わたし以外は主婦だったので、話題は子どもか旦那さんについてばかりでした。

結局、現在は食事会に参加していません。わたしはそのころ海外1人旅や習い事などにハマっていましたが、だまっていました。ほかの人が興味を持っていない話題を出して、自慢話をしているように思われるのも嫌だったし、旅行に行ったのにおみやげはもらえないのかな、と催促されるような気もしたためです。

わたしはもともと愚痴を言うのも聞くのも好きではないタイプで、愚痴を毎回聞かされるのもストレスになっていたのかもしれません(もちろん、楽しい話題もありました)。スピリチュアル的には『類友の法則』があり、似た者同士が自然と集まるといわれているそうです。共通項がなくなったことで、自然と心の距離も離れて行ったような気がします。

今では、そのような友情がはぐくめたことを感謝していますが、もう会うことはないと思われます。

1人でいることは寂しく思えるかもしれませんが、仕事以外で苦手な人や好きではない人と無理に付き合う必要はないです。自分が心地良いと思えたり、有意義だと思えることに時間を使ったりする方が良いでしょう。

人間が苦手ならば、周囲の生き物と仲間になる方法もあります。(少しあやしいですが、わたしは近所で見かける猫や山羊などに話しかけることもあります。おそらく、言葉は通じていないですが、わたしの好きだという感情は伝わっているのではないかと思われます)

物の執着を手放す方法

  • 物は消えても思い出は残る

ストレス解消のために買い物依存症ぎみになったり、心のすき間を埋めるように部屋に物を貯めこんだりすることもあるのではないでしょうか。物であふれた部屋を見るたび、いつか片付けなければ、と気がかりになり、ほかのことに集中できなくなる可能性もあります。

物を捨てることになかなかふんぎりがつかない時は、写真に撮ってデータとして残してみてはいかがでしょうか。そうすれば、物が消えたとしても、写真を見ながら、その物との思い出を振り返ることができます。

  • 自分の人生を充実させると、物はいらなくなる

自分に自信がないとブランド品を持って、自分の権威を高めようとしたり、寂しいと部屋を物で埋めたくなったりしがちです。

ブランド品自体は、品質が良く、長持ちするので、本当にそのブランドが好きならば、使い続けた方が良いと思います。しかし、そのブランド価値に自分を近づけたい理由で使う場合は、品物を購入するよりも、自分の価値自体を高めるためへの投資(資格取得の勉強、留学や海外旅行など)をした方が良いでしょう。

その投資の結果、もっとお給料の高い会社に転職したり、海外での生活をしたりすることで、自分の人生が充実すれば、自分を高く見せたり、すき間を埋めたりするための物はいらなくなります。もし、投資の結果が出なかったとしても、そこまで費やした努力には価値があり、努力した日々は充実していたはずです。

  • スペースを空けると、新しい物が入ってくる

まだ使えるから、もったいないから、と理由で物を貯め込むと、空間だけでなく心にもスペースが生まれません。

物を捨てることで風通しが良くなり、空間に『新陳代謝』が起こります。新しい物が入る余地が生まれるのにともない、新しい発想や新しい物を手に入れるためのワクワク感も湧いてくるはずです。

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