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一期一会にはどんな意味がある?使い方から関連深い名言まで徹底解説

「一期一会」という言葉は、「偶然のように出会った人とは、その時にしか会えないのだから、1つ1つの出会いを大切にしよう」という意味で使用されがちです。もちろん、出会いを大切にする四字熟語という意味は間違いではないのですが、一期一会にはもっと深い意味が含まれていることはご存知でしょうか?

本記事では、一期一会の意味をより深く理解できるようになる、語源や使用方法を解説します。一期一会に関する名言も紹介しているので、日々の出会いをもっと大切にしたい人は、参考にしてみてはいかがでしょうか。

目次

幅広い意味を簡単に理解できる!「一期一会」とは

一期一会(いちごいちえ)は、出会いに関する四字熟語で、漢字が簡単かつ素敵な意味を持っていることから、日常生活でもよく目にする言葉だといえるでしょう。そんな一期一会ですが改めて意味を問われると、ふわっとした知識しかないために回答に困ってしまうという人も少なくありません。

ここでは、一期一会の基本的な意味や語源について解説しています。一期一会と似た意味の言葉も紹介しているので、一期一会を別の表現で使用したい人もぜひチェックしてみてください。

一期一会の意味

一期一会は、「一生に一度の出会いを大切にする」という意味の言葉です。たとえ同じ人と何度会っても、同じ瞬間は二度と訪れないという教えから生まれた言葉であり、今この瞬間の出会いや関わりに真心を込め、誠実に向き合うことの大切さを伝えています。

なお、よくはじめて会う人のみに当てはまる意味であると思われがちですが、毎日会うような人にも当てはまる四字熟語です。一期一会は出会った瞬間だけでなく、「日常の何気ない一瞬も、人生においては一度きりなんだから大切にしよう」という、より深く日常と結びついた言葉であることを理解しましょう。

一期一会と似た言葉

一期一会と似た意味の言葉は多くあり、それぞれ一期一会にはない表現方法で、何気ない一瞬の大切さを教えてくれます。以下の表に、一期一会と似た意味の言葉をまとめたので、日常生活に活用してみてはいかがでしょうか。

一期一会と似た意味の言葉意味
千載一遇(せんざいいちぐう)千年に1回しかめぐり合わせないようなチャンスという意味
縁は一期(えんはいちご)人との縁は一度きりかもしれないという意味
刹那(せつな)ごく短い瞬間を指す言葉で、「刹那を生きる」は「一瞬一瞬を大切にする」という意味になる
会者定離(えしゃじょうり)出会った者は必ずいつか別れるという仏教の教え
袖振り合うも多生の縁(そでふりあうもたしょうのえん)道ですれ違うだけの人とも、前世からの縁があるという考え

一期一会の反対語

一期一会には類義語だけでなく反対語もいくつか存在します。以下の表に、一期一会の反対語をまとめたので、ボキャブラリーを豊かにする一環としてチェックしてみてはいかがでしょうか。

一期一会と反対の意味になる言葉意味
日常茶飯事(にちじょうさはんじ)特別ではなく、毎日のように起こる当たり前の出来事を指す言葉
漫然(まんぜん)目的意識や感謝を持たず、なんとなく物事をこなす様子
家常茶飯(かじょうさはん)日常茶飯事と同じ意味の言葉
不遑枚挙(ふこうまいきょ)数が膨大すぎて、数えきれない様子

一期一会の語源

一期一会は、茶道の大成者 千利休の「一期に一度の会と思って亭主を畏敬すべし」という言葉から生まれた四字熟語です。「毎日会う相手であっても、その茶の席は今日限りのものであり、誠心誠意取り組まなければならない」という心持ちに感銘をうけた、千利休の弟子 山上宗二が「山上宗二記」に記したことで広く伝わりました。

なお、一期一会を正式に使用したのは、江戸の大老 井伊直弼とされています。著書である「茶湯一会集」で一期一會(一期一会)の表記が確認されており、千利休と同じ心持を問いています。

【使い方をわかりやすくレクチャー】一期一会の例文

ここでは、一期一会をより身近な存在として親しむべく、一期一会の例文をいくつか紹介します。恋愛や仕事など、シチュエーションごとに例文を紹介しているので、使い方を簡単に知りたい人は参考にしてみてください。

仕事編

仕事における一期一会の例文は以下のとおりです。

「たとえ短いプロジェクトでも、関わる人とのご縁を一期一会の気持ちで大切にしたい。」
「クレーム対応も一期一会。真摯に対応すれば、信頼を生むチャンスに変わることもあります。」
「今日のお客様は今日しか会えないかもしれません。だからこそ、一期一会の精神で丁寧に接します。」

仕事で一期一会を使用する際には、単なる美しい言葉としてではなく、行動や姿勢の指針として伝えることが大切です。相手を大切にする気持ちを込めて、説得力のある言葉として使用するように心がけましょう。

恋愛編

恋愛における一期一会の例文は以下のとおりです。

「この出会いは偶然じゃなく、きっと必然。まさに一期一会だと思う。」
「あの恋は終わったけれど、過ごした時間は私にとって一期一会の宝物です。」
「一期一会の出会いだったけど、その出会いが私を成長させてくれた。」

恋愛で一期一会を使う時は、「出会えた奇跡」「今この瞬間の尊さ」を伝える意識が大切です。今を大切にする気持ちを添えることで、相手に自分の思いをしっかりと伝えられます。

日常編

日常における一期一会の例文は以下のとおりです。

「何気ない挨拶や会話も、実は一期一会かもしれないね。」
「家族との食事も当たり前じゃない。今日という時間を一期一会だと思って過ごしたい。」
「一日の出来事や出会いにありがとうと思えるのが、一期一会の心だと思う。」

恋愛で一期一会を使う時は、「当たり前を特別に変える」意識で使うとよいでしょう。一期一会を効果的に活用できれば、日々の日常に特別な意味を見出すことも難しくありません

実は奥深い?一期一会から学べることとは

日々の出会いや一瞬を大切にする一期一会の精神ですが、実は仏教の教えとも深い関係があります。ここでは、仏教のつながりをもとに、一期一会から学べることについて解説します。

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元は仏教用語の組み合わせ

一期一会は、茶道の精神から生まれた四字熟語ですが、仏教用語の「一期(いちご)」と「一会(いちえ)」を組み合わせている言葉でもあります。

  • 一期(いちご):「生まれてから死ぬまで」という一つの生命の区切りを指す
  • 一会(いちえ):仏の教えを聞く「たった一度の機会」という意味を持つ

そのため、仏教的な背景を知っておくと、一期一会をより深い視点で理解することにつながります。

諸行無常と深いつながりがある

一期一会の精神は、仏教における諸行無常と深いつながりがあります。

  • 諸行無常:「この世のすべては常に変化し、同じ状態が続くことはない」という教え

一期一会の発想はまさに、諸行無常の世界観が前提にあるからこそ、意味に説得力が生まれ、万人に刺さる言葉になっています。「この世のすべては常に変化しており、人との出会いや時間は二度と同じ形で訪れないのだから、今この瞬間を大切にしよう」という、ある種諸行無常に対するアンサーを示している四字熟語だといえるでしょう

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座右の銘にぴったり!一期一会に通ずる名言を一挙紹介

一期一会の意味や精神は、日本だけでなく海外でも重要視されることも珍しくありません。ここでは、一期一会をより深く心に刻みたい人は必見、一期一会に通ずる名言を9つ紹介します。

さまざまな分野の著名人から一期一会に通ずる名言をピックアップしたので、「一期一会を大切にできるような座右の銘はないの?」と考えている人は、ぜひ参考にしてみてください。

小さな出会いを大切に育てていくことで、人生の中での大きな出会いになることもあります―千利休

一期一会の語源にも深くかかわっている、茶道の大成者 千利休は、出会いに関する別の名言も残しています。見逃してしまうような些細な出会いも、丁寧に対応する大切さを説く名言は、一期一会と同様、些細な出来事を特別なものに変える力を秘めています。

「一度きりの出会いにも意味を感じ、人とのつながりを丁寧に育てていきたい」と考えている人は、ぜひ心に刻むべき名言だといえるでしょう。

すべては出会いによって実現されていく―喜多川泰

喜多川 泰(きたがわ やすし)は、2005年に「賢者の書」でデビューし、「君と会えたから…」「手紙屋」などの名小説を多く執筆している、著作家(講演家)です。成功も奇跡も出会いから生まれてくることを端的にまとめた名言は、一期一会を大切にしている喜多川 泰のモットーをよく表しています。

出会いが人生を変えると信じ、「誰と出会うか」「どう関わるか」を大切にする人にとって、非常に心に響く名言だといえるでしょう。

苦情を受けたときは「縁が結ばれる好機」と考え、一つの機会として生かしていくことが大事―松下幸之助

松下幸之助(まつした こうのすけ)は、日本を代表する実業家・経営者で、パナソニック(旧・松下電器産業)の創業者です。苦情をもチャンスに変えてしまう名言は、パナソニックを一大企業まで成長させたビジネスマインドをひしひしと感じられます。

逆境を前向きに受け止め、人との出会いに変えていきたい人は、ぜひ目標としたい名言だといえるでしょう。

会って、知って、愛して、そして別れていくのが、幾多の人間の悲しい物語である―サミュエル・テイラー・コールリッジ

サミュエル・テイラー・コールリッジは、イギリス初期ロマン主義文学の中心人物として、多くの作家に影響を与えた、イギリスの詩人(哲学者)です。出会いには別れがあることを心情豊かに表現している名言は、一期一会の精神は外国でも大切にされていることを実感させられます。

人の「出会いと別れ」を深く受け止め、人生を彩りあるものにしたいと考えている人は、ぜひ頭の隅に覚えておきたい名言だといえるでしょう。

人生は出会いが全て。出会った人を喜ばせることから道は開ける―中村文昭

中村文昭(なかむら ふみあき)は、「頼まれごとは、試されごと」などの印象的なメッセージで、心を動かす語り手として各地の講演会で活躍している、日本の実業家(講演家)です。他社の喜びは自分の人生にとってもプラスになることを、痛烈に表現している名言は、出会いを大切にするのはもちろん、その出会いをどうするかを考えさせられます。

「まずやってみる」「動けば変わる」という精神で前向きに活動したい人は、ぜひ心の支えとして意識しておきたい名言です。

縁のつながりは、個人の力が及ぶ範囲を超えています―林修

林修(はやし おさむ)は、「いつやるか? 今でしょ!」という名言で一躍有名になり、東進ハイスクールの塾講師だけでなく、テレビ・出版・講演など幅広く活躍している日本の予備校講師です。縁の持つ力の大きさをわかりやすく問いた名言は、自分の力に活きずまりを感じていた人に、新しい活路を見出してくれました。

キャリア・恋愛・友情などを円満にしたいと考えている人は、この名言を参考に、人との関係性を人生の軸に据えてみてはいかがでしょうか。

自分が歩んできた過去を振り返ってみると、何とたくさんのすばらしい、一生に一度の出会いがあること―井上靖

井上靖(いのうえ やすし)は、「闘牛」「氷壁」「風林火山」など、現代小説や時代小説などジャンルを問わず活躍した、戦後日本文学を代表する小説家です。過去を振り返って出会いの大切さに気づいたことを表す名言には、人生を豊かにする貴重なヒントが眠っています。

一期一会の精神が人との出会いを「人生の財産」に変えてくれることを証明する、人生の指針にすべき名言だといえるでしょう。

人生とは出会いである。その招待は二度と繰り返されることはない―ハンス・カロッサ

ハンス・カロッサは、医者と小説業を見事に両立させた、ドイツの医師(小説家)です。出会いの性質をおしゃれに表現した名言は、一期一会の本質をうまく表現しています。

一期一会の精神に共感し、人との関わりや時間に誠実に向き合いたい人は、ぜひ覚えておきたい名言だといえるでしょう。

一期一会の精神は人生をより豊かにする

本記事では、一期一会の語源や使用方法、一期一会に通ずる名言を解説しました。一期一会の精神は人生を豊かにするヒントが隠されており、日常を特別にする力を秘めています。日々の出会いを大切にしたい人は、名言や使用方法を活用して、一期一会をより身近な存在にしてみてはいかがでしょうか

「仏陀倶楽部」では、他にも人生を豊かにする教えやヒントを多く発信しています。「何の変哲もない日常を特別なものにしたい」「今の自分を変えたい」と思っている人は、ぜひご覧ください。