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介護生活で得た心の学び:『人間万事塞翁が馬』の智慧が導く心の平穏

3月に母親が背中と腰の痛みで動けなくなり介護生活が始まりました。レポートを書く時間も取れず、代表と会うこともキャンセルせざるを得なくて時間が過ぎましたが、私はその中で様々な学びをいただく日々を過ごしています。

85歳で生活保護受給者の母親は、長年独り暮らしをしていて、自分の部屋に他人を入れることを嫌います。なのでヘルパーを頼むことが出来ず、必然的に全て私が担うことになります。

介護生活で見つけた心の変化と喜び

始めの頃は不思議と動けて「自分もこんなに役に立てるんだ」という喜びがあり、毎日クタクタになりながらも心は元気でした。出来ることが増えることも、頼られる存在でいられることも嬉しく思えていたのです。

しかし私は、変形性股関節症で自分が歩くだけでも精一杯な状況。そして、同居中のパートナーとの関係性の問題も抱えているなか経済的自立を目指し就労支援を受け始めたばかりでした。(介護が始まって休職しています)

『人間万事塞翁が馬』の智慧がもたらす心の静けさ

1年前の私なら「なんで私だけ?」とか「どうしてこんな思いをしなきゃならないの?」などと思っていたかも知れません。でも今、不思議と、私の心は静かなのです。

それは、私の好きな教えに『人間万事塞翁が馬』があるおかげ、だと感じています。

どんな出来事も全ては最善、そう捉えることで人生は良き方へと向かう…これを私は心から信じていて、何があっても「この出来事から学べることは何だろう」と考えるようになっているのです。

困難の中でも見据える未来と最善の選択

今、母親は少し動けるようになり整形外科で検査を受けることができました。しかしそこで、背骨が「圧迫骨折だらけ」と判明して骨粗鬆症の治療を始めることになり、毎月の通院のケアも私の務めになりました。

日々、母親との時間を過ごす中で、様々な感情を自分の中に見ながらも「これからどうすることが私にとって、母にとって、家族にとって最善なのか」を自分の内側に問い続けています。介護生活という困難な状況を通して、私は精神的な成長と深い学びを得ています