書いた人:仏陀倶楽部 会員
Web会議や働き方改革の広がりによって仕事の効率は高まる一方、人とのつながり方は大きく変わっています。プロジェクトマネージメントの現場でも、互いに支え合う関係から、それぞれの担当範囲を完結させる関係へと変化を感じる場面が増えているといいます。本レポートでは、仕事における人間関係の変化を通して、あらためて「ご縁」の意味を考えます。
プロジェクトを支える人間関係
私は仕事でプロジェクトマネージメントをしています。その中で近年、人間関係やご縁のあり方が大きく変化しているように感じています。プロジェクトマネージメントは、企画、設計、構築、切替、保守と、プロジェクト全体をコントロールしていく仕事です。
大きなプロジェクトでは、大人数の技術者とともに、考え方や進め方をコントロールしながら、完了後のフォローまで行います。結構大変な仕事なのですが、マネージメントの立場は縁の下の力持ち的な存在です。最前面に立つ花形ではありませんが責任は重く、大変な緊張感の中で進めています。
さまざまな技術者が参加しますので、私との人間関係だけでなく、技術者同士の人間関係も良好に保つ必要があります。最初はバラバラに集まってくるそれぞれの技術者が、ワンチームとなってプロジェクトを完成させていきますので、チームスピリットも大事だと考えてきました。
変わってきた仕事上のつながり
最近の傾向は、昔とは少し変わってきているように感じています。昔は、人と人が業務面だけでなく深いつながりを持ち、お互いの業務範囲をカバーし合い、助け合いながら、密に連携して問題を解決し、進めていくことが多くありました。
最近感じているのは、人と人とのつながりが希薄になっていることです。それぞれが自分の担当範囲だけを仕上げていくようになり、ご縁のあり方も変わり、どこか疎遠な関係に感じられます。
社会の流れがそうさせているのかもしれません。働き方改革の中では、人の業務まで手を差し伸べる余裕はありませんし、コミュニケーションはWeb会議が中心で、相手の顔すら知らないこともあります。最近では、プロジェクトの終わりまで顔を知らないまま終了してしまうことまであります。
コロナ禍で強いられた仕事のやり方の功罪かもしれません。仕事の効率は良くなっているのかもしれませんが、人としてのつながりは以前より希薄になっているように感じます。
仕事の中にある「ご縁」
人とのつながりが薄くなっているのは仕事上のこと、と割り切れば良いのかもしれません。しかし、多くの人が人生の大半の時間を仕事に充てている中で、その時間に人とのご縁が薄くなってきていることには、少し危機感を感じています。
仏教では「縁起」という教えが説かれています。私たちは一人で生きているのではなく、多くの人とのご縁の中で生かされています。しかし現代社会では、人とのつながりが希薄になり、ご縁の大切さが見えにくくなっているように感じます。
仏教を勉強させていただくと、約2600年前に仏教が開かれて以来、その根本の教えは受け継がれてきており、教えの基本は時代によって変化することなく、今、私たちがその教えを学びながら過ごせているのだと感じます。
そのような生き方の芯となる教えは、この先も変わらないと思います。特に、人間の本質である煩悩を前提とした教えである浄土門については、この先も変わることはないと思います。
変化の中でも大切にしたいこと
プロジェクトもまた、多くのご縁の中で成り立っています。技術や働き方が変化しても、人が人とのご縁によって生かされていることは変わりません。だからこそ私は、浄土門の教えを学びながら、一人ひとりとのご縁を大切にして歩んでいきたいと考えています。
南無阿弥陀仏。



















僧侶、著述家、宗教法人得藏寺 代表役員
愛知県名古屋市出身。浄土真宗大谷派である名古屋大谷高校業後、20歳で独立起業。自動車販売業、美容事業、飲食事業、リサイクル事業と、次々に事業を立ち上げる。
独立起業後10年を経て自身の中に湧きあがる疑問と向き合うため、事業を整理し、ヨーロッパを中心に世界30カ国以上を旅する中で、多くの宗教や文化、習慣や常識の違いに触れる。
「人は生きているだけで毎日が修行」という考えに至り、時代が変化しても自然淘汰されない“在り方”を仏教に見出す。
現在は誰もが「得度」し、僧侶になれる機会を提供している。
信念は、「人生を変えるのに修行はいらない」
愛葉宣明 著 『仏陀経営』ほか
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