十九歳の初夏、私の娘は自殺未遂をしました。
その時主治医に言った娘の言葉は、全てうまく行かないのも、好きな進路に進めなかったのも、全て私のせいだと言う言葉でした。元夫は、全て家庭と子育ては私に任せているのでといった言葉。
私は二人の言葉に愕然とし、只々絶望しました。そして、その家庭から離れる選択をしました。しかし、私に残ったのは子供たちを捨てたという罪悪感、喪失感でした。そして心の奥底に隠していた、娘と元夫に対する怒り。そのことが頭から離れませんでした。
しかし、愛葉先生の本に出会い、その中の、本当に大切なものにだけ執着すれば良いという言葉にハッとしました。眼から鱗がこぼれ落ちたようでした。
母で有り続けたいということに執着するのではなく、手放す勇気と見守るということに、執着するべきなのではないかと気付かされました。彼女も一人の成人として悩み、苦しむときがきっと訪れるでしょう。そんなとき突っぱねるのではなく、話を聴き、包み込む優しさを持って向き合えるようになりたい。出会う方全てにおいてもそう接していかれたらと。
そんな、謙虚な人間になるということに執着したいと思っています。