十九歳の初夏、私の娘は自殺未遂をしました。
その時主治医に言った娘の言葉は、全てうまく行かないのも、好きな進路に進めなかったのも、全て私のせいだと言う言葉でした。元夫は、全て家庭と子育ては私に任せているのでといった言葉。
私は二人の言葉に愕然とし、只々絶望しました。そして、その家庭から離れる選択をしました。しかし、私に残ったのは子供たちを捨てたという罪悪感、喪失感でした。そして心の奥底に隠していた、娘と元夫に対する怒り。そのことが頭から離れませんでした。
しかし、愛葉先生の本に出会い、その中の、本当に大切なものにだけ執着すれば良いという言葉にハッとしました。眼から鱗がこぼれ落ちたようでした。
母で有り続けたいということに執着するのではなく、手放す勇気と見守るということに、執着するべきなのではないかと気付かされました。彼女も一人の成人として悩み、苦しむときがきっと訪れるでしょう。そんなとき突っぱねるのではなく、話を聴き、包み込む優しさを持って向き合えるようになりたい。出会う方全てにおいてもそう接していかれたらと。
そんな、謙虚な人間になるということに執着したいと思っています。





















僧侶、著述家、宗教法人得藏寺 代表役員
愛知県名古屋市出身。浄土真宗大谷派である名古屋大谷高校業後、20歳で独立起業。自動車販売業、美容事業、飲食事業、リサイクル事業と、次々に事業を立ち上げる。
独立起業後10年を経て自身の中に湧きあがる疑問と向き合うため、事業を整理し、ヨーロッパを中心に世界30カ国以上を旅する中で、多くの宗教や文化、習慣や常識の違いに触れる。
「人は生きているだけで毎日が修行」という考えに至り、時代が変化しても自然淘汰されない“在り方”を仏教に見出す。
現在は誰もが「得度」し、僧侶になれる機会を提供している。
信念は、「人生を変えるのに修行はいらない」
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