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心が創る経営

花

はじめに

 私は会計事務所を経営しており、職業会計人として日々お客様の大切な個人情報を扱っています。これからお話しする話は実話ですので、店名と個人名は全て仮名としました。

第一章: 二つの花屋

 ある街角に、「花の小路」というフラワーショップがありました。店主は30代の田中さん。彼女は経営学の修士号を持ち、商品の陳列、帳簿付け、整理整頓に非常に几帳面でした。毎日、仕入値から売価を細かく計算し、値札を取り替えるものの、値引きや特売日は設けていませんでした。店内は清潔で美しいものの、完璧すぎてお客さんが入りづらい雰囲気を醸し出していました。従業員もおらず、田中さん一人で経営をしていました。

 しかし、数年後、田中さんの「花の小路」は赤字が続き、最終的には廃業に追い込まれてしまいました。

第二章: 新しいスタート

 「花の小路」が廃業した後、その店舗は居抜きで70代男性の佐藤さんに譲渡されました。佐藤さんは小学校しか卒業していませんが、いつも笑顔で愛嬌たっぷりです。彼は新たに「花の園」という名前で花屋を始めました。お店は雑然としているものの、温かい雰囲気に包まれており、従業員も皆明るく、入りやすい店に変わりました。

 しばらくすると、佐藤さんは月に一度、故志村けんのバカ殿の衣装を着て踊りながらお客さんを楽しませることで、地域の名物となっていました。帳簿付けは大雑把で3ヶ月に一度行う程度ですが、商品である花々はまるで植物園のように美しく並べられていました。

 ある日突然、佐藤さんがバカ殿の恰好をして、真向いにある私の会計事務所に帳簿の引き渡しで訪ねて来られ、ビックリするや腹を抱えて大笑いしたことをよく覚えています。その後、私は社長と親交を深め時々お花を買いに行くようになり、特売日が大変楽しみになりました。

第三章: 経営の違い

 佐藤さんの「花の園」は、いつも笑顔でお客さんと接し、特売日にはお得な商品を提供していました。彼の親しみやすい性格と温かい対応が、お客さんの心を掴み、店を繁盛させていたのでしょう。彼のやり方は、大雑把ながらもお客さんを第一に考えた経営スタイルでした。

 一方、田中さんの「花の小路」は、完璧主義のために細かいところまで気を配っていましたが、その几帳面さが逆にお客さんとの距離を生んでいました。店内は美しく整頓されていましたが、笑顔が少なく、温かみが感じられませんでした。業績はみるみる悪くなりお店の維持が難しくなってきました。

第四章: 成功と失敗

 田中さんの「花の小路」は廃業へと追い込まれて行ってしまいました。一方で、佐藤さんの「花の園」は地域で最も繁盛する花屋となり、店舗も増え事業を拡大していきました。その後も増収・増益が続き3年目に入ったところで個人企業から会社組織へと変わりました。

第五章: 心が創る経営

 私は長年に亘る経験から一つの真理に辿り着きました。それは、企業経営は学歴や性別、年齢ではなく、経営者の心が重要だということです。

 当時を振り返ってみると、佐藤さんは無意識に仏教の「無財の七施」を実践していたと思います。

 それは、優しい眼差し(眼施)、和かな顔(和顔施)、思いやりのある言葉(言辞施)、身を持って示す思いやり(身施)、他人を思いやる心(心施)、場所を譲ること(床座施)、心安らぐ場所を提供すること(房舎施)を自然と行っていたと感じられるからです。

 一方、田中さんは、細かい数字に囚われ過ぎて、心の豊かさを忘れていたのかもしれません。田中さんから、先生「私のどこが間違っているのでしょうか。売価も数値分析しているし、生花の在庫管理も徹底しています。なぜかお客さんが増えないのです」と質問があり、当時の私は仏教を学んでいなかったこともあり返答に苦慮しました。

結び

 企業経営は理屈だけではなく、心が創るものです。佐藤さんの笑顔と温かさが、成功の鍵となりました。仏教を学び、仏教的視点から企業経営を俯瞰することで、成功の本質が見えてきました。経営は心が創るものであり、その心の在り方が企業の命運を分けるのでしょう。

 このことがご縁となり、以来、私は仏教(浄土真宗)を学ぶことになり、仏教的視点での「起業経営の勧め」を推奨して、自身の寺小屋である自称「塚田の草庵」で機会を作りお伝えをしています。

 仏教を学び幸せを噛みしめています!!

 南無阿弥陀仏

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