書いた人:釋 浩徳
心臓の不調に続き、突然の両脚アキレス腱断裂。歩けない状態で心臓の処置を受け、その後も手術とリハビリが続く半年間となりました。次々と起こる予想外の出来事のなかで、あらためて感じた妻の存在の大きさ、そして仏教で説かれる「諸行無常」。本レポートでは、病気と回復の過程で実感したことが率直に綴られています。
突然、歩けなくなった
長いこと、レポートを提出できずにいました。今年の初めに心臓の不調があり、検査入院。以前にもあった冠動脈の狭窄が発生しており、後日、ステント挿入処置を行うことになりました。
その日を待っていたある朝、目覚めると両脚が激しく痛み、歩行が困難になっていました。そうなる心当たりはまったくなく、近所の整形外科を受診。レントゲンだけ撮られて、「特に異常ないねえ……」で済まされてしまいました。
そんなはずはなく、普段透析を受けている主治医に総合病院の整形外科を紹介され、受診してみると、両脚のアキレス腱断裂(部分)でした。
青天の霹靂とはこのこと。アスリートでも、格闘家でもないのに、アキレス腱断裂。しかも両脚! 整形外科医も「めずらしい……」と驚いていました。原因は、長年の透析による腱や血管の劣化と、その少し前から行っていた下肢トレーニングが激しすぎたことにあるようでした。
歩けないまま、心臓の処置へ
即刻入院となり、両脚同時に腱をつなぐ手術が決まりました。まったく歩行できない、車いす生活が始まります。
ところが、その状態でも優先すべきは心臓のステント手術だと言われ、予定通り、両脚が動かない状態で心臓の病院に入院しました。この一週間は、まさに「生き地獄」でした……。歩けない、心臓の不調、透析。三重苦が襲ってくる、最悪の入院生活でした。
何とか処置を終え、今度は整形外科に入院。その後、約1カ月の病院生活とリハビリを経て、何とか退院し、今に至っています。とはいえ、いまだにまともには歩けていません……。完全に戻るには、半年、1年とかかるそうです。
妻の存在と「諸行無常」
この騒動で、実にさまざまなことを考えさせられました。何よりも感じたのは、妻の存在です。そのありがたさは、何にも代えがたいものでした。彼女がいなかったら、乗り越えられなかったと思います。
それから、本当にしみじみと思ったのは「諸行無常」ということです。無常観……すべてのものは絶えず変わり続けていて、変化することが自然である。突然襲ってくる変化に対して、柔軟に対応することで、絶望感や怒り、焦燥、不安を抑え、平穏な心を得ることができる。
得度して、ほんのわずかでも仏の教えを学んでいたことで、この試練を何とか乗り切ることができたと実感しています。しかし、いくつになっても、さまざまな試練や困難は襲ってくるのだなあ……。そう実感した半年間でした。
南無阿弥陀仏。

















僧侶、著述家、宗教法人得藏寺 代表役員
愛知県名古屋市出身。浄土真宗大谷派である名古屋大谷高校業後、20歳で独立起業。自動車販売業、美容事業、飲食事業、リサイクル事業と、次々に事業を立ち上げる。
独立起業後10年を経て自身の中に湧きあがる疑問と向き合うため、事業を整理し、ヨーロッパを中心に世界30カ国以上を旅する中で、多くの宗教や文化、習慣や常識の違いに触れる。
「人は生きているだけで毎日が修行」という考えに至り、時代が変化しても自然淘汰されない“在り方”を仏教に見出す。
現在は誰もが「得度」し、僧侶になれる機会を提供している。
信念は、「人生を変えるのに修行はいらない」
愛葉宣明 著 『仏陀経営』ほか
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