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燃え尽き症候群(バーンアウト)とは?症状・チェック・治し方

最近、何をしてもやる気が出ない」「以前は楽しかった仕事が苦痛に感じる

そんな状態が続いていませんか?

もしかすると、単なる疲れではなく燃え尽き症候群(バーンアウト)かもしれません。

真面目で責任感の強い人ほど陥りやすいこの状態は、放置すると深刻な心身の不調につながる可能性があります。

本記事では、燃え尽き症候群の症状やセルフチェック方法、具体的な治し方まで詳しく解説します。

ぜひ、最後までお読みください。

燃え尽き症候群の前兆かも?自己診断リストでチェック

出典:写真AC

以下の10項目で、当てはまるものにチェックを入れてみましょう。

燃え尽き症候群チェックリスト
  • 仕事のことを考えると気分が沈む
  • 朝、ベッドから起き上がるのが億劫で仕方ない
  • 同僚や顧客に対して冷たい態度を取ってしまう
  • 以前は楽しかった仕事が苦痛に感じる
  • 十分に休んでも疲れが取れない
  • 集中力が続かず、ミスが増えた
  • 人と関わるのが面倒に感じる
  • どんなに頑張っても達成感を感じられない
  • 些細な出来事でイライラしてしまう
  • 自分は無能だと感じる機会が多い
チェック数結果
0〜2個正常範囲
予防のため定期的にセルフチェックを続けましょう
3〜4個要注意
セルフケアを始め、生活習慣を見直す必要があります
5〜7個危険な状態
早めに心療内科や精神科への相談を検討してください
8個以上深刻な状態
すぐに医療機関を受診し、休職も視野に入れましょう


5個以上当てはまる場合は、燃え尽き症候群の可能性が高いです。

自己判断せず、専門家への相談をおすすめします。

燃え尽き症候群(バーンアウト)とは

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燃え尽き症候群(バーンアウト)とは、それまで熱心に取り組んでいた仕事や活動に対して、突然やる気を失ってしまう状態を指します。

慢性的なストレスによって心身のエネルギーを使い果たし、極度の疲労感や無気力に陥っているのです。

世界保健機関(WHO)は、燃え尽き症候群を「適切に管理されなかった、職場での慢性的なストレスに起因する症候群」と定義しています。(出典:Burn-out an “occupational phenomenon”: International Classification of Diseases

燃え尽き症候群は、病気ではありませんが、健康状態に影響を及ぼす問題として認識されています。

うつ病などの精神疾患とは区別されますが、放置すると本格的なうつ病に進行する可能性もあるのです。

対人サービス業(医療、教育、福祉など)に多く見られてきましたが、近年では職種を問わず、仕事・学業・育児などさまざまな場面で起こりうる問題として認識されています。

本人の気力や根性で解決できる問題ではなく、適切な休息や環境調整が必要です。

放っておくと後遺症のリスクも。燃え尽き症候群の3つの症状

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本項では、世界標準の診断ツールMBI(マスラック・バーンアウト・インベントリー)で定義されている、燃え尽き症候群の3つの症状を詳しく解説します。

情緒的消耗感(心が空っぽでもう頑張れない)

情緒的消耗感とは、仕事を通じて感情的なエネルギーを使い果たし、心身ともに疲れ果てた状態です。

燃え尽き症候群のなかでも、最も主要な症状とされています。

具体的な症状として、朝起き上がれないほどの疲労感がある・何をするにも気力が湧かない・以前よりイライラしやすくなったなどの症状が現れます。

これまで情熱を注いできた対象に対して、何の感情もわかなくなるのが特徴です。

適切な段階で休息を取れば回復の可能性は高まりますが、無理を続けると次の段階へと進行してしまいます。

脱人格化(人に対して思いやりを持てない)

脱人格化とは、周囲の人々に対して冷淡で無情な対応をしてしまう状態です。

情緒的消耗感が進むと、二次的な症状として現れる傾向があります。

例えば、顧客や患者の個人名を呼ばなくなる配慮のない言葉遣いをする同僚に対して攻撃的になる、といった行動が見られます。

これは、情緒的な消耗から自分を守るための、無意識の防衛反応です。

感情を遮断すれば、自分を守れるからです。

周囲から見ると「性格が変わった」「冷たくなった」と映りますが、本人は自覚がない場合も多く、人間関係のトラブルに発展しやすくなります

個人的達成感の低下(何をやっても無意味に感じる)

個人的達成感の低下とは、仕事への充実感ややりがいを感じられなくなる状態です。

どれだけ頑張っても満足できず、自己評価が著しく低下します。

情緒的消耗感と脱人格化が続いた結果、仕事の能率が下がり、成果を出せなくなることが原因です。

症状が進むと「自分がいる意味がない」という虚無感に襲われ、仕事だけでなく人生全般への意欲も失われていきます。

放置すれば、うつ病・適応障害・自律神経失調症などの深刻な状態に進行する可能性があります。

身体症状として、頭痛・肩こり・食欲不振などが現れるため、心身両面でのケアが必要です。

あなたはどれ?燃え尽き症候群の12段階を3期に分類

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燃え尽き症候群は突然発症するのではなく、段階的に進行します。

症状が徐々に進行していく過程を理解し、早期発見につなげましょう。

以下では、心理学者のハーバート・フロイデンバーガーらが提唱した12段階の進行モデルを、分かりやすく3つの時期に分けて解説します。

頑張りすぎ期(無理をして全力疾走する)

頑張りすぎ期は、燃え尽き症候群の初期段階にあたります。

頑張りすぎ期の段階と症状は、以下のとおりです。

段階主な症状・状態
第1段階:証明欲求「認められたい」「評価されたい」という気持ちが強くなる
第2段階:過剰努力期待に応えようとして自分の限界以上に働き始める
第3段階:自己犠牲睡眠や休息を削って仕事を優先する
第4段階:問題回避「大丈夫」と自分に言い聞かせて無理をする

この段階では、本人は充実感を感じている場合が多く、周囲からは「仕事熱心な人」と評価されがちです。

しかし、この無理が後の消耗につながります。

消耗期(疲れが溜まり思考が混乱する)

消耗期に入ると、心身の疲労が蓄積し、明らかな異変が現れ始めます

消耗期の段階と症状は、以下のとおりです。

段階主な症状・状態
第5段階:価値観の歪み仕事が人生の全てになり他に価値を見出せなくなる
第6段階:問題の否認周囲から「疲れているのでは」と指摘されても「問題ない」と否認する
第7段階:引きこもり人付き合いを避けて孤立していく
第8段階:行動変化遅刻や欠勤が増えて周囲が気づくほど行動に変化が現れる

この時期になると、本人は「何かがおかしい」と感じ始めますが、原因が自分にあるとは認めたくない心理が働きます。

崩壊期(心身が疲れて動けない)

崩壊期は燃え尽き症候群の最終段階であり、深刻な状態です。

日常生活にも支障をきたし、回復に長期間を要します。

段階主な症状・状態
第9段階:脱人格化自分や他人に無関心になり感情を失う
第10段階:内的空虚感何をしても満たされず生きる意味を見失う
第11段階:うつ状態人付き合いを避けて孤立していく
第12段階:完全消耗起き上がるのも困難になり日常生活が送れなくなる

崩壊期まで進んでしまうと、休職や入院が必要になる場合もあります。

ただし、適切な治療とサポートがあれば回復は可能なため、決して諦めないでください。

要注意!燃え尽き症候群になりやすい人4選

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燃え尽き症候群は誰にでも起こりうるものですが、特にリスクが高いとされる性格傾向があります。

本項では、燃え尽き症候群になりやすいとされる4つの代表的な性格的特徴を解説します。

完璧主義の人

完璧主義の人は、自分にも他人にも高い基準を設定し、常に100%の結果を求めます。

この思考は、達成不可能な目標に対して過剰なエネルギーを注ぎ込み、心身を疲弊させる原因になります。

どんなに小さなミスも許せず、自分を責め続けてしまうため、満足感や達成感を得にくいのが特徴です。

「まだ足りない」「もっと頑張らなくては」と常に自分を追い込み、休息をとることに罪悪感を抱きがちです。

完璧主義は一見、長所のように思えますが、心身への負担は大きくなります

「80%でOK」という考え方を身につけ、完璧でなくても自分を認める視点が必要です。

責任感が強い人

責任感が強い人は、与えられた仕事や役割を最後までやり遂げようとする真面目な性格です。

その真面目さゆえに、自分の限界を超えてまで仕事を引き受けてしまう傾向があります。

「自分がやらなければ」という思いが強く、他人に頼ったり、仕事を断ったりするのが苦手です。

その結果、一人で多くのタスクを抱え込み、心身の負担が増大します。

また、物事がうまくいかないと、すべて自分の責任だと感じてしまい、過度なストレスを抱え込みます。

一人で抱え込まない・適度に人を頼る意識が必要です。

他人からの評価を気にする人

他人からの評価を過度に気にする人は、自分の価値を他人からの評価に依存しがちです。

周囲から「優秀だ」「頑張っている」と認められたいという欲求が強く、その期待に応えるために無理をしてしまいます。

他人の顔色をうかがい、自分の意見を抑えてでも相手に合わせようとします。

常に他者からの評価というプレッシャーにさらされているため、心が休まりません。

期待に応えられないと、自分の価値がないように感じてしまい、さらに自分を追い込む悪循環に陥ります。

他人の評価より、自分がどう思うか」という、考え方を大切にしましょう。

「ノー」と言えない人

頼み事をされると断れない、いわゆる「イエスマン」タイプの人も、燃え尽き症候群になりやすいです。

相手をがっかりさせたくない・関係を悪化させたくないという思いから、自分のキャパシティを超えた仕事や頼み事を引き受けてしまいます

自分の欲求や感情を後回しにし、他者を優先するあまり、自分の時間やエネルギーが奪われていきます。

自分の限界を他人に伝えられないため、ストレスや不満が内側に溜まり続け、やがて心身の悲鳴につながるのです。

できない仕事は断る・自分の限界を伝える勇気をもてば、自分を守れるでしょう。

自分でできる対処法。燃え尽き症候群の4つのセルフケアと治し方

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燃え尽き症候群からの回復には、意識的なセルフケアと、ときには専門家の助けが必要です。

以下では、燃え尽き症候群の具体的な対処法と治療法を紹介します。

無理のない範囲で、取り入れられることから始めてみましょう。

睡眠や休息を優先する

燃え尽き症候群の回復には、まず十分な休息が必要です。

枯渇した心身のエネルギーを回復させるために、睡眠と休息を最優先にしましょう。

毎日、7〜8時間以上の睡眠を確保してください。

就寝前の2時間はスマートフォンやパソコンの使用を控え、寝室を暗く静かな環境に整えます。

毎日同じ時間に寝起きする規則正しい生活リズムも、睡眠の質を高めます。

有給休暇を積極的に使い、まとまった休みを取るのも効果的です。

「休むのは悪い」という考えをやめて、休息は回復のために必要な時間だと認識しましょう。

症状が重い場合は、休職制度の利用も検討してください。

運動や趣味で気分転換をする

適度な運動は、ストレス軽減に効果的です。

激しい運動は必要なく、ウォーキング・ヨガ・ストレッチなど、軽い運動で十分です。

1日20〜30分程度、朝の散歩をして日光を浴びれば、体内時計が整います。

運動によってストレスホルモンが減り、気分の改善につながるでしょう。

また、仕事以外の楽しみをもつのも大切です。

読書・映画鑑賞・音楽など、自分が心からリラックスできる趣味の時間を週に数回は確保しましょう。

大切なのは、義務感ではなく、純粋な楽しみとして取り組むことです。

仕事とプライベートのバランスを取る

燃え尽き症候群の予防と回復には、ワークライフバランスの見直しが欠かせません。

仕事とプライベートを明確に分け、オンとオフの切り替えを意識しましょう。

例えば、以下のルールを決めて、実践してみてください。

  • 勤務時間外は仕事のメールや電話に対応しない
  • 休日は仕事関連の情報を完全に遮断する
  • 職場にプライベートな問題を持ち込まない

物理的・心理的に仕事から距離を置くことで、心を休ませ、自分自身のための時間を取り戻せるでしょう。

心療内科や精神科を受診して治療する

セルフケアを試みても改善が見られない場合や、日常生活に深刻な支障が出ている場合は、ためらわずに専門家の助けを求めましょう

心療内科・精神科・メンタルクリニックを受診してください。

「何科を受診すればいいかわからない」という場合は、まずは内科やかかりつけ医に相談しても構いません。

医師は、症状の背景にある問題を整理し、必要に応じてカウンセリングや薬物療法を提案します。

また、休職が必要な場合は診断書を作成してもらえます。

自分一人で解決できないときは、大きな支えとなってくれるでしょう。

燃え尽き症候群は甘えではない!頑張る人ほどなりやすい心の健康障害です

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燃え尽き症候群は、WHO(世界保健機関)が正式に認めた、心の健康問題です。

もしあなたが「燃え尽きた」と感じているのなら、それはあなたの甘えや弱さではありません。

むしろ、目標に向かって真摯に努力を重ねてきた証拠です。

まずは、これまで頑張り続けてきた自分自身を認め、労ってあげてください。

十分な休息を取り、ひとりで抱え込まないようにしましょう。

本記事で紹介したセルフチェックや対処法を参考に、心と向き合い本当の自分を取り戻してください。

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