「恋愛の悩みを考えすぎてしまい、ついつい仕事の手が止まってしまう」
「友達への返信内容を考えすぎてしまい、ストレスを感じる」
そのような悩みを抱えていませんか? 正しい行動を選択するためにも、考えることは大切ですが、度を超えて考えすぎてしまうと、日々の生活に疲れてしまいますよね。
この記事では、考えすぎる性格を「長所」に変えるために知っておきたい改善方法や、その原因について解説します。 考えすぎる性格の特徴やメカニズムを正しく理解し、「もしかしたら自分の悩みはこの性格のせいかも?」という疑問を解消していきましょう。
なぜ考えすぎる性格になってしまうのですか?

結論:主な原因は、周囲の評価への過剰な懸念、HSP(繊細な気質)、過去のトラウマの3つです。
考えすぎてしまう性格には、明確な心理的・気質的な背景があります。原因を特定することで、自分を責めることなく、客観的に対処することが可能になります。 ここでは、代表的な3つの原因について解説します。ご自身の経験と照らし合わせてみてください。
1. 周囲の視線を気にしすぎている
仕事仲間や友人からの評価、自分への印象など、他者の視線を過剰に気にしてしまうことが、考えすぎる性格の大きな要因です。 もちろん、他者の意見を取り入れることは大切ですが、気にしすぎると自分の判断に自信が持てず、「正解」を探して思考がループしてしまいます。
- 他者からの評価が気になり、決断を下せない
- 周囲の反応に振り回され、自分の考えがブレてしまう
このような状態によく陥る場合、他人の視線を「自分軸」よりも優先してしまっていることが原因と考えられます。
2. HSP(ハイリー・センシティブ・パーソン)
HSPとは、生まれつき「非常に感受性が強く、敏感な気質」を持った人のことです。人口の約15〜20%が該当すると言われており、病気ではなく先天的な気質です。 共感力や直観力に優れている反面、周囲の音、光、人の感情の機微に敏感に反応してしまいます。
- 上司や同僚のちょっとした言動に動揺する
- 会話のトーンや表情のわずかな変化が気になってしまう
こうした気質により、無意識のうちに多くの情報を処理しようとして、考えすぎる状態になりやすい傾向があります。
参考:サワイ健康推進課「心が疲れやすくて生きづらい…それは「HSP」かもしれません」
3. トラウマの影響
過去の失敗や叱責された記憶がフラッシュバックし、防衛本能として考えすぎてしまうケースです。 「二度と同じ失敗をしたくない」という強い思いが、冷静な判断を妨げ、過剰なシミュレーションを引き起こします。
- ミスを恐れるあまり、過剰に心配してしまう
- 些細なミスでも、その後の行動が怖くなる
これらは過去の経験が現在の思考にブレーキをかけている状態といえます。
考えすぎる性格かどうかわかる特徴はありますか?

結論:はい、あります。「完璧主義」「周囲への過剰な反応」「自己完結型の悩み」などが顕著な特徴です。
自分が考えすぎる性格かどうか判断に迷う場合は、以下のチェックリストを確認してみてください。該当する項目が多いほど、その傾向が強いといえます。
- すべての物事を完璧にしないと不安になる
- 周囲の反応に一喜一憂してしまう
- 相談を受けると、自分ごとのように悩み続けてしまう
- 自分の行動に自信が持てず、動けない時間が長い
- 悩みを誰にも相談できず、ひとりで抱え込んでしまう
恋愛や仕事でやりがちな行動パターンとは?
結論:返信に時間をかけすぎる、確認作業が過剰になる、といった「石橋を叩きすぎて渡れない」行動が典型的です。
恋愛や仕事など、重要な決断を迫られる場面では、特に考えすぎる性格が顕著に表れます。以下のような行動パターンに心当たりはありませんか?
- メールやメッセージの返信に時間がかかりすぎる
- 確認を何度もし直さないと気が済まない
- 人に悩みや問題を頼ることが苦手
- 少しの失敗で長い期間落ち込んでしまう
- 「もしも」に備えてスケジュールを過剰に空けてしまう
- 相手のことや考え事で眠れなくなってしまう
これらの行動は、エネルギーを消耗し、生活の質を下げる要因になりかねません。
精神疾患や病気につながる可能性はありますか?

結論:はい、あります。過度なストレスは不安障害やうつ病などのリスクを高めるため、早めのケアが重要です。
「考えすぎ」は単なる性格の問題と捉えられがちですが、慢性的な脳の疲労は心身に悪影響を及ぼします。 リスクを正しく理解し、改善策を取り入れるきっかけにしてください。
不安障害
過度な不安や心配が長期間続き、日常生活に支障をきたす状態です。 パニック障害や強迫性障害なども含まれ、動悸や不眠などの身体症状が現れることがあります。将来への不安を過剰にシミュレーションしてしまう癖が、引き金になることがあります。
うつ病
強い気分の落ち込みや意欲の低下が続く疾患です。 物事をネガティブな方向に深く考えすぎてしまう思考の癖(反芻思考)は、うつ病の発症リスクを高める要因のひとつとされています。
- 興味や喜びの喪失
- 倦怠感、不眠
- 自己評価の著しい低下
自閉スペクトラム症(ASD)との関連
社会的コミュニケーションの困難さや強いこだわりを持つ自閉スペクトラム症の特性により、思考の切り替えがうまくいかず、考えすぎてしまう場合があります。 また、幼少期の環境によるトラウマが重なっているケースもあります。
考えすぎる人が陥りやすい悪循環とは?
「「自己否定」と「行動の停止」がさらなる「考えすぎ」を呼ぶ、負のループです。
考えすぎてしまう人は、以下の3つのステップで苦しみを深めてしまう傾向があります。
仏教では、このような苦しみの連鎖を断ち切るために、まずは苦しみを「苦しみ」としてありのままに観察すること(苦諦)が大切だと説かれています。
参考:浄土真宗慈徳山得藏寺「「四苦八苦とは?」仏教における苦しみの根源と向き合い、安らぎを得るための道標」
考えすぎる性格を直すにはどうすればいいですか?
思考を物理的に区切る「時間制限」や、客観視するための「書き出し(ジャーナリング)」が効果的です。
意志の力だけで考えるのを止めるのは困難です。具体的な行動やルールを日常に取り入れ、脳のスイッチを切り替える練習をしましょう。
1. 考える時間を決めておく
「悩むのは15分だけ」とタイマーをセットするなど、時間を区切りましょう。 制限を設けることで、「完璧でなくてもいいから、とりあえず答えを出そう」という意識が働き、行動に移しやすくなります。
2. 心配事を書き出して分析する
頭の中だけで考えていると、不安は実際以上に大きく感じられます。 紙に書き出すことで悩みを可視化(見える化)し、客観的に分析することができます。「書く」という行為自体が、脳のメモリを解放する助けになります。
3. 人に相談する
自分ひとりの視点には限界があります。 「こんなことを相談しては迷惑では?」と考えずに、信頼できる相手に話してみましょう。言葉にすることで思考が整理され、案外すんなりと解決策が見つかることも多いです。
4. SNSやインターネットの使用を調整する
現代は情報過多です。SNSで他人のキラキラした生活を見たり、ネガティブなニュースに触れたりすることは、考えすぎる材料を増やしてしまいます。 寝る前の1時間はスマホを見ないなど、デジタルデトックスを心がけましょう。
5. 完璧を目指しすぎない
「80点でも合格」という基準を持ちましょう。 机上の空論で100点を目指すよりも、行動しながら修正していくほうが、結果的に早く正解にたどり着けることが多いものです。
おすすめのリラクゼーション法はありますか?

マインドフルネス瞑想、ヨガ、アロマセラピーなど、五感に意識を向ける方法がおすすめです。
思考(頭)を休めるためには、感覚(体)に意識を向けることが一番の近道です。
マインドフルネス(瞑想)
呼吸に意識を集中し、「今ここ」を感じる練習です。雑念が浮かんでも評価せず、ただ呼吸に戻ることを繰り返すことで、思考の暴走を止める力がつきます。
ヨガ
呼吸と体の動きを連動させることで、自律神経を整えます。体への集中が強制的に思考をストップさせてくれます。
アロマセラピー
嗅覚は脳にダイレクトに作用します。好きな香りでリラックスすることで、張り詰めた神経を緩めることができます。
考えすぎる性格を長所として活かすことはできますか?
もちろんです。「深い洞察力」「リスク管理能力」「高い共感性」は、あなただけの強力な武器になります。
「考えすぎる」ことは、裏を返せば「深く考える力がある」ということです。無理に直そうとせず、視点を変えてみましょう。
- 気づく力が人一倍強い 細部まで目が行き届くため、トラブルを未然に防ぐことができます。
- 相手の痛みがわかる 人の感情に敏感であるため、相手の立場に立った丁寧なコミュニケーションがとれます。
- 慎重さは信頼につながる 安易な判断をしない姿勢は、仕事において「信頼できる人」という評価につながります。
自己肯定感を高めるためのポイントは何ですか?
「気づけた自分」を認め、他人軸ではなく自分軸で小さな安心を積み重ねることです。
自己肯定感は一朝一夕には上がりませんが、日々の習慣で育てることができます。
仏教の視点を取り入れる効果とは?

執着を手放し、心を中立に保つ仏教の智慧は、考えすぎる心を軽くする大きな助けになります。
仏教には、2500年前から伝わる「心の処方箋」がたくさんあります。 「諸行無常(すべては移り変わる)」や「中道(極端に走らない)」といった考え方を知ることで、悩みに対する視点がガラリと変わるかもしれません。
考えすぎる性格は、決して悪いことではありません。そのエネルギーを自分を苦しめる方向ではなく、人生を豊かにする方向へ使っていきましょう。 「仏陀倶楽部」では、現代の生活に活かせる仏教の教えを分かりやすく紹介しています。思考を整理するヒントとして、ぜひチェックしてみてください。






















僧侶、著述家、宗教法人得藏寺 代表役員
僧侶、著述家、宗教法人得藏寺 代表役員
愛知県名古屋市出身。浄土真宗大谷派である名古屋大谷高校業後、20歳で独立起業。自動車販売業、美容事業、飲食事業、リサイクル事業と、次々に事業を立ち上げる。
独立起業後10年を経て自身の中に湧きあがる疑問と向き合うため、事業を整理し、ヨーロッパを中心に世界30カ国以上を旅する中で、多くの宗教や文化、習慣や常識の違いに触れる。
「人は生きているだけで毎日が修行」という考えに至り、時代が変化しても自然淘汰されない“在り方”を仏教に見出す。
現在は誰もが「得度」し、僧侶になれる機会を提供している。
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