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仏縁――比叡山で重なった不思議なご縁

仏縁――比叡山で重なった不思議なご縁

書いた人:釋 隆雲

学生時代、友人と京都から比叡山へ向かった一日が、思いがけない出会いの連続として記憶に残っている体験記です。無動寺での緊張と高揚、思いもよらない場面で出会った人の佇まいが、あとになって「他力」への実感と結びついていきます。

京都から比叡山へ

私がまだ学生の頃の話です。仏教が好きな友人と比叡山へお参りに行くことになり、まずは京都で真言宗の東寺に行かせていただきました。

京都は父の故郷で、祖父母もまだおりましたので、よく行く場所でしたが、子どもの頃に行った東寺が、全く別の場所に感じるくらい感激したのを思い出します。東西本願寺にも参らせていただき、お隣の滋賀県の比叡山にあがりました。

無動寺での出来事

延暦寺に行く前に、千日回峰行で知られる無動寺にお邪魔しました。当時は、千日回峰行を二度達成された酒井大阿闍梨が広く知られていました。

我々は、回峰行中にお供する二頭の犬に吠えられながらも、「本当に二頭の犬がいる!」と大興奮し、弘法大師、慈覚大師が浮かびました。また、知らないとは本当に怖いもの知らずで、回峰行者しか入ってはならない不動堂へ入り、友人と読経し始めてしまいました。途中、障子が開いたのですが、すぐに静かに閉まりました。

でも、読経は終わらせようと唱え続け、終了してお堂から出た時に、若いお坊様が「こちらは一般の方は中には入れない場所なんです」と言われました。友人と謝りますと、「いえいえ、お経を納めるようにお不動様がおっしゃったのかもしれません」と笑顔でしたので、ホッとするのも束の間、小柄なお坊様が「今日は良い天気で、暑くもなく寒くもなく、良い日にお参りに来られましたなぁ」と言われて、普通に「本当に気持ち良い日です」と伝えました。

よくお顔を拝見しましたら、なんと酒井大阿闍梨ご本人でした。当時は今よりも純粋な信仰でしたので、友人と歓喜してしまいました。

忘れられないご縁

無人の無動寺で、伝説の犬に酒井大阿闍梨、無礼ながらも不動堂で読経させていただき、まるで魔訶不思議な世界に連れて来ていただいたようでした。

阿闍梨の自然な振る舞いとご縁に、ますます他力を意識させられる体験のひとつになりました。今でも友人とは、あれは夢を見ていたのかもしれないと話します。

その後も、宗派を問わず仏教を好きでこられたこと、得度までさせていただいたこと、もったいないありがたさにより、さらに「他力」への理解が深く感じられます。ありがとうございます。

仏陀倶楽部では、 こうした日々の迷いや立ち止まりを、

一人で抱えずに言葉にする場があります。

監修者 「愛葉 宣明」

僧侶、著述家、宗教法人得藏寺 代表役員
愛知県名古屋市出身。浄土真宗大谷派である名古屋大谷高校業後、20歳で独立起業。自動車販売業、美容事業、飲食事業、リサイクル事業と、次々に事業を立ち上げる。
独立起業後10年を経て自身の中に湧きあがる疑問と向き合うため、事業を整理し、ヨーロッパを中心に世界30カ国以上を旅する中で、多くの宗教や文化、習慣や常識の違いに触れる。
「人は生きているだけで毎日が修行」という考えに至り、時代が変化しても自然淘汰されない“在り方”を仏教に見出す。
現在は誰もが「得度」し、僧侶になれる機会を提供している。

信念は、「人生を変えるのに修行はいらない」

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