本書に、仏陀の説法は 「応病与薬」(病に応じて薬を与える)であり、「対機説法」(機に対して法を説く)とあり、「まさに!」と肯けました。
長年、他人の人生の悩みに対して様々な教えを説いてきた身として、このことは、本当に、肌身に浸みています。
「ただ正しいことを説くのが正しい訳ではない」ということをたくさんの失敗から学んできました。結局、説くというのは、相手があることです。
だから、身勝手に何かを説いても無駄説きになってしまいます。
目的は、その言葉がまず相手に届き、そしてその届いた言葉によって、相手に変化が訪れること(心や行動)です。
そのためには、タイミングも大切ですし、どんな言葉を投げかけるかも大切ですし、誰が説くかも大切です。
そのために、仏陀が具えていたという「他心通」というスキルは必須です。
これがなければ、タイミングと、チョイスする言葉を誤ります。
その人に伝わる言葉、それは次元が高過ぎても低すぎてもいけない。
時には、高次の真理を、届かなくても、ずっと、ぶれずに説き続けるのも大切かも。
そして、同じ言葉を同じタイミングで説いたとしても、誰が説くかによって、その言葉がまったく届かない場合も出て来ます。
そのためには、我々が、身を修めて、徳を高め、日々の行いにより、信頼を得て、言葉に説得力を出して行くことが大切だと思っています。
まさに日々修行です。

















僧侶、著述家、宗教法人得藏寺 代表役員
愛知県名古屋市出身。浄土真宗大谷派である名古屋大谷高校業後、20歳で独立起業。自動車販売業、美容事業、飲食事業、リサイクル事業と、次々に事業を立ち上げる。
独立起業後10年を経て自身の中に湧きあがる疑問と向き合うため、事業を整理し、ヨーロッパを中心に世界30カ国以上を旅する中で、多くの宗教や文化、習慣や常識の違いに触れる。
「人は生きているだけで毎日が修行」という考えに至り、時代が変化しても自然淘汰されない“在り方”を仏教に見出す。
現在は誰もが「得度」し、僧侶になれる機会を提供している。
信念は、「人生を変えるのに修行はいらない」
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