書いた人:レーン由香
2週間で2度の車の故障。予定が崩れ、マイナス思考が巡るなかで、このレポートは「起きてしまったことに執着しない」という視点へ切り替えていく過程を描きます。待つしかない現実を受け入れつつ、日常の中でさまざまな気づきを得る記録です。
2週間で2度の故障
ここ2週間で、2度も車が故障しました。ロードサービスでは直らず、レッカー移動となり、修理工場を点々とすることに。さらに部品が届くまで時間がかかり、予定していた期日にも直らない状況でした。
最初に出たのは、「はぁ……」というため息でした。
息子の学校、バスケの練習や試合の送り迎え、自分の仕事、買い物など、車がないと本当に困る生活環境です。そんな中で立て続けに故障が起きたので、正直かなり落ち込みました。
マイナス思考をほぐした仏教の教え
ビーチが目の前の立地条件のいいユニットに住んで、もうすぐ5年になります。車は路上駐車で、雨風に加えて潮風にもさらされっぱなしです。しかも中古車だったので、もともとの状態もはっきりとはわかりませんでした。
同じような条件で車を置いている家は近所にもたくさんあります。もちろん、こうした環境が車の寿命を縮めているのは間違いないと思います。ただ、2度目の故障では、さすがにがっかりしました。
なんでこんなにすぐに……。ついていないな……。嫌だな……。できないことが増える……。修理代はいくらだろう……。また予定をキャンセルしなきゃ……。
そんなマイナス思考が頭の中をぐるぐるしていましたが、ここ最近学んでいた仏教の考え方が、気持ちを少し軽くしてくれました。
壊れてしまったという現実や、どうしようもない状況に執着して、あれこれ悩んでも、車は直りません。修理工場も、部品がなければ直せません。買い替えが必要なわけではないのなら、今はただ待つしかないのです。
そう思えたとき、発想を変えてみようと思いました。
「車がない」この状況を、いっそ楽しんでみよう。
もちろん、そのあとで高額な修理代がかかるかもしれません。それでも、前回も今回も、誰かを巻き込んでけがをさせたわけではなく、自分自身も無事に修理へ出せました。それだけでも十分ありがたいことです。また元気に働けばいい。そう思うと、少し肩の力が抜けました。
自分でコントロールできないときの楽しみ方
車を運転しなくていいので、まずはランチビールを楽しめました。普段は乗らないバスで仕事に行くのも、思ったより悪くありませんでした。
息子もひとりでトラムとバスを乗り継ぎ、1時間かけて通学できるようになりました。そんな小さな成長を見られたのも、この出来事があったからこそです。
また、一度にたくさん買い物ができないので、今あるものでやりくりするしかありませんでしたが、そのぶん少し節約にもなりました。
毎週行くサウナだけはどうしてもキャンセルしたくなくて、自転車で行ってみたところ、運転中には気づかない小さな発見がありました。初めての道を通るだけでも、ちょっとしたアドベンチャー気分が味わえます。
「車がない」と不平不満で数日を過ごすよりも、当たり前ではない状況の中にある面白さを見つけたほうが、気持ちはずっと軽くなります。
そして、私の状況を理解してアドバイスをくれたり、助けてくれたりした方々とのご縁にも、あらためて感謝しました。
今回の車の故障を通して、さまざまな学びがありました。起きてしまったことを変えるのは難しくても、その出来事をどう受け止めるかは自分で選べます。この経験が、いつか誰かの気持ちを少しでも軽くできたらうれしいです。

















僧侶、著述家、宗教法人得藏寺 代表役員
愛知県名古屋市出身。浄土真宗大谷派である名古屋大谷高校業後、20歳で独立起業。自動車販売業、美容事業、飲食事業、リサイクル事業と、次々に事業を立ち上げる。
独立起業後10年を経て自身の中に湧きあがる疑問と向き合うため、事業を整理し、ヨーロッパを中心に世界30カ国以上を旅する中で、多くの宗教や文化、習慣や常識の違いに触れる。
「人は生きているだけで毎日が修行」という考えに至り、時代が変化しても自然淘汰されない“在り方”を仏教に見出す。
現在は誰もが「得度」し、僧侶になれる機会を提供している。
信念は、「人生を変えるのに修行はいらない」
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