これからの「日本」という国を支え、発展させていくためには、若者たちのチカラが必要不可欠である。
経験を蓄えている高齢者の存在も、大変重要なのだが、やはり行動するのは若者であろう。
多様な価値観を認め、ジェンダーレス、共生社会への理解を体感している今の若い世代には、我々世代には持ちえなかった「価値観」をごく自然に備えていると思う。
とても頼もしく感じる一方で、不安に思えることも存在するのもまた事実である。
十代の人たちと関わる時間が比較的長期にわたっているので、その変化が気掛かりである。
その最たる物は、リアルな人間関係を好まない傾向が年々、益々強くなっているように感じることだ。親友と言えるような友人を求めていない、学校やコミュニテイで、一定時間共に過ごす仲間はいるが、プライベートまでその関係を続けようとはしない。他人を批判したり自分の主張を押し付けたりしない代わりに、自分以外の人に対する興味、関心がとても薄い。などなど・・・。
面倒くさい人間関係をできる限り避け、他人の領域にズカズカ入り込まない代わりに、自身の領域にも絶対に侵入させない。そんな薄ーい人間関係を好む、ように思えて仕方がない。
確かに、人間関係というものは、面倒なもので、家庭、学校、地域、社会、どの領域にも存在する人との関りは、時にイライラしたり、怒りが湧いたり、気を遣ったり、心にもないことを言わなくてはいけない場面などもあり、厄介で面倒くさいのは事実だ。
でもでも、一見厄介に見える、こうしたマイナスイメージの人間関係の中から、実は本当の共感や他者理解、友情や愛情、思いやる心などが育まれるのだと思う。
一瞬の面倒や厄介に囚われることなく、その先にある真の大切な「人間関係」に一人でも多くの若者が気付いてくれるように導く事に、残り少ない人生を賭けていきたいと思う。