なぜ、いま仏教なのか? 現代は、高度経済成長により技術の発展や利便性が増し、一見すると豊かになっている一方、世界ではいつまでも戦争や差別が無くならず、過労死や自死も増加し続けている。
妬み、嫉み……人はなぜ不満を懐くのか。なぜ不安なのか。なぜ悩み、なぜ他人と争うのか。私もその問いに気付いた事から、仏教の学びを始めた。
そもそも仏陀となられた釈尊も、皆と同じ人として悩み、苦しむ事から始まっている。出家をし、数々の辛苦ののちに真実に目覚め、仏陀となられた。
悟りを得た釈尊の教えに、真理を知らせる四諦の教えがあり、真理を四つの面から知らせる「苦諦」「集諦」「滅諦」「道諦」がある。
そのうちの「苦諦」は、「人生は苦であることが真理である」と説かれている。
苦には四苦・八苦があり、「生苦・老苦・病苦・死苦」の四苦、生まれて成長し老いていく苦しみ、病による苦しみ、そして死ぬことへの苦しみがある。さらに、苦を代表するものに「愛別離苦」「怨憎会苦」「求不得苦」「五蘊盛苦」の四苦を合わせて八苦。
そのうちの「五蘊盛苦」の「蘊(うん)」とは集まりを意味し、人間を構成する五つの要素――色(物質)・受(感覚)・想(知覚)・行(意思)・識(認識)――から成り立っている。
これらの五蘊の働きによって煩悩が引き起こされるから、人間の存在そのものが苦であるということ。
そう、私も「人生は修行」だと思い、苦悩しながら生きてきた。本当の幸せとは何かを自問自答している際に、仏教の教えに触れ、もっと深く学びたいと思った。
仏教には、皆が救われるように、苦の原因や煩悩の本質、苦は必ず滅することや、苦を滅するための真理について説かれている。
人生は苦であることを知り、あらゆる苦悩から解放され、心身ともに平安を得ることが基本課題であると、仏教はその教えを、2500年以上も前から、多くの高僧方により、現代の私たちに伝え続けてこられた。
おかげさまで、真実のあるべき姿を気付かせて頂き、これから学びを深めていくための心構えや、正しい生き方への道標となった。





















僧侶、著述家、宗教法人得藏寺 代表役員
愛知県名古屋市出身。浄土真宗大谷派である名古屋大谷高校業後、20歳で独立起業。自動車販売業、美容事業、飲食事業、リサイクル事業と、次々に事業を立ち上げる。
独立起業後10年を経て自身の中に湧きあがる疑問と向き合うため、事業を整理し、ヨーロッパを中心に世界30カ国以上を旅する中で、多くの宗教や文化、習慣や常識の違いに触れる。
「人は生きているだけで毎日が修行」という考えに至り、時代が変化しても自然淘汰されない“在り方”を仏教に見出す。
現在は誰もが「得度」し、僧侶になれる機会を提供している。
信念は、「人生を変えるのに修行はいらない」
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