誰であっても僧侶になれる得度への道をご用意しています。

【仏教の視点】まだ起きてもいない「未来への不安」を手放す:ネガティブ思考を煩悩として受け入れる

Report by Ochi Hideki

「まだ起きてもいない未来」を心配する心の動き

出版に関するご相談を受けていると、「売れなかったらどうしよう」「編集者とうまくいかなかったらどうしよう」と、まだ起きてもいない“最悪の未来”を心配する声をよく耳にします。実際には、まだ出版が決まってもおらず、原稿も完成していない段階なのに、不安だけが先に大きく膨らんでしまうのです。

しかし、そうした未来への不安は誰しもが経験する心の動きです。

例えば、起業しているわけではないのに「うまくいかなかったらどうしよう」、付き合っているわけでもないのに「結婚がうまくいかなかったらどうしよう」という具合に、人は自分の身を守ろうとするあまり、まだ起きていないことを憂いては、自ら悩みを増やしてしまいます。

ネガティブ思考は仏教でいう「煩悩」である

自分の力では止められないこの「悪い未来の想像」にとらわれる心こそ、仏教でいう「煩悩」のひとつであると考えるようになりました。

仏教では、煩悩とは悟りを妨げる心の汚れであり、人間が本来持っている性(さが)とされます。特に、未来への過度な心配や執着は、私たちを苦しめる根源的な要因となります。

親鸞聖人の教え:不安を抱える私を受け入れる

この人間の性(さが)を、親鸞聖人は真正面から認め、「そんな私」でさえ阿弥陀仏に救われる存在であると説いています。

浄土真宗において大切なのは、自分が思い通りにならない存在であることを受け入れ、自力でなんとかしようとするのではなく、阿弥陀仏のはたらき、すなわち他力にゆだねる生き方です。

私たちは、ネガティブな思考や未来への不安を無理に否定する必要はありません。「そんな不安を抱える私」で生きていくのです。そう捉えると、自力で完璧になろうとする意識から少し肩の力が抜け、生きるのがラクになるような気がします。

仏陀倶楽部では、 こうした日々の迷いや立ち止まりを、

一人で抱えずに言葉にする場があります。

監修者 「愛葉 宣明」

僧侶、著述家、宗教法人得藏寺 代表役員

僧侶、著述家、宗教法人得藏寺 代表役員
愛知県名古屋市出身。浄土真宗大谷派である名古屋大谷高校業後、20歳で独立起業。自動車販売業、美容事業、飲食事業、リサイクル事業と、次々に事業を立ち上げる。
独立起業後10年を経て自身の中に湧きあがる疑問と向き合うため、事業を整理し、ヨーロッパを中心に世界30カ国以上を旅する中で、多くの宗教や文化、習慣や常識の違いに触れる。
「人は生きているだけで毎日が修行」という考えに至り、時代が変化しても自然淘汰されない“在り方”を仏教に見出す。
現在は誰もが「得度」し、僧侶になれる機会を提供している。

信念は、「人生を変えるのに修行はいらない」

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