10年ほど前に、起業した当初、びっくりするくらい全然うまくいきませんでした。真っ暗闇のトンネルに入った感じです。このトンネルに出口があるのかも、もしあったとしてもどうやってその出口に辿りつくのか、方法論もまったくわからない状態でした。精神的にも苦しく、イヤホンで「斎藤一人」さんの音声データを聞きながら、街をとぼとぼ歩いてたりしてたことを思い出します。
苦しみが深める自己中心性(ドツボの始まり)
そんな状態になると、人はますます自分のことしか考えられなくなるものです。とりあえず、自分の利益を確保することだけを考える。それがないと生きていけないから、と。
これが「ドツボ」の始まりです。苦しいからこそ、人は自分の利益、自分の苦しみばかりに意識が集中してしまいます。この自己中心的な発想が、さらに状況を悪化させます。
そして極限までドツボにはまったときに、ようやく開き直れて、考えることができました。
どんなに苦しくとも「お客さんの事を一番に考えないと」って。そこから事業は好転していきました。今から振り返れば当たり前です。与えてなかったから、自分が苦しかっただけだったのです。与えてないのにもらえるものなんてある訳がありません。
与えるからこそ、回りまわってお礼をいただけるのです。
人生を支配する「与えること」の宇宙の法則
これはビジネスに限らず、人生は全部そうです。万有引力の法則のように、宇宙の仕組み自体がそうなっているのですから。与えたらもらえる。
自分が苦しいと感じているということは、与えていないからです。人を喜ばしていないからです。
仏教的な視点で見ても、利他の精神こそが、苦しみを乗り越えるための根本的な処方箋です。利己的な行動は、さらなる煩悩と執着を生み出すだけです。
苦しみから抜け出す唯一の方法
苦しいなって考えている人は、いまあるリソースを使って、他の人を精一杯喜ばしてあげたら良いと思います。
ここで返ってくるのは、直接的にお金じゃないかも知れません。しかし、自分を幸せにする何か、自分を苦しみから抜けさせる何かが、必ず返ってきます。それは、感謝であったり、安心感であったり、新しい縁であったりするでしょう。
誰もが、この平等な宇宙の法則の上に暮らしているのですから、苦しい時に与えることを実践すれば、誰でも100%そうなります。

















僧侶、著述家、宗教法人得藏寺 代表役員
愛知県名古屋市出身。浄土真宗大谷派である名古屋大谷高校業後、20歳で独立起業。自動車販売業、美容事業、飲食事業、リサイクル事業と、次々に事業を立ち上げる。
独立起業後10年を経て自身の中に湧きあがる疑問と向き合うため、事業を整理し、ヨーロッパを中心に世界30カ国以上を旅する中で、多くの宗教や文化、習慣や常識の違いに触れる。
「人は生きているだけで毎日が修行」という考えに至り、時代が変化しても自然淘汰されない“在り方”を仏教に見出す。
現在は誰もが「得度」し、僧侶になれる機会を提供している。
信念は、「人生を変えるのに修行はいらない」
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