「生きるのがしんどい」。それは病気や仕事、家庭環境など、さまざまな要因が重なったときに、誰にでも起こりうる自然な感情です。あなたの毎日が少しでも楽になり、安心して過ごせるよう、その原因と具体的な対処法について解説します。
どんなとき「生きるのがしんどい」と感じますか?
自分を認めてもらえないときや、感情が動かなくなったとき、あるいは朝起きた瞬間に強い重圧を感じるときです。これらは心が疲れ切っているサインであり、無理に動こうとせず、自分を守るための休息が必要な状態といえます。
誰も自分を認めてくれないときはどうすればいいですか?
「自分は一人ではない」と認識し、気持ちを吐き出せる場所を見つけてください。 人は承認されることで自己肯定感を保ちますが、仕事での評価不足や、家事・育児を「やって当たり前」と思われる環境が続くと、生きる気力を失ってしまいます。
「しんどい」と感じているのはあなただけではありません。意外と近くで笑っている人も、同じように悩んでいるものです。まずはその感情を否定せず、SNSや日記、あるいは信頼できる第三者に気持ちを吐き出してみましょう。
喜怒哀楽の感情がわかないのはなぜですか?
心が限界まで疲れ、自分を守るために感情のスイッチを切っている状態だからです。
友人といても楽しくない、好きな動画を見ても心が動かない、泣きたいのに涙が出ない。これは「これ以上傷つかないための防衛本能」です。無理に笑う必要はありません。「今は疲れているんだな」「よく頑張ったな」と自分を労ってあげてください。
朝起きた瞬間に気持ちが重いときは休むべきですか?
はい、心が「風邪」を引いて高熱を出している状態と同じなので、迷わず休んでください。
「今日が始まった」「行きたくない」と絶望的な気持ちで朝を迎えるのは、エネルギーが枯渇している証拠です。動けなくなったら、それは身体からの強制終了のサイン。水分と食事をとり、泥のように眠りましょう。「ちょっと動いてみようかな」と思えるまで、焦る必要はありません。
なぜ、あなたは生きるのがしんどいと感じるのか?

主な要因は「心理的要因」「環境的要因」「身体的要因」の3つが複雑に絡み合っているからです。自分がどの要因に当てはまるかを知ることで、対処の糸口が見えてきます。
心理的な原因にはどのようなものがありますか?
「自己肯定感の低下」や「完璧主義」な思考が、自分自身を追い詰めていることが挙げられます。 他人と自分を比べて「自分はダメだ」と落ち込んだり、失敗を極端に恐れたりしていませんか? キラキラして見える同期やママ友も、実は人知れず悩んでいるかもしれません。
仏教には「四苦八苦(しくはっく)」という言葉があり、生きることは本質的に思い通りにならない苦しみを伴うものだと説いています。自分を責めすぎず、「まあいいか」と少し肩の力を抜くことが大切です。
環境的な要因で辛くなるのはどんなときですか?
人間関係のトラブルや、転居・転職・結婚などの大きな「環境の変化」があったときです。
筆者もかつて、結婚を機に見知らぬ土地へ引っ越し、就職と子育てを同時に経験した時期がありました。頼れる人が近くにおらず、孤独と戦う日々に「自分の居場所がない」と涙した経験があります。 環境の変化への適応には個人差があります。
「一人でも大丈夫」と意地を張らず、辛いときは「助けて」と声を上げることが、自分を守る第一歩になります。
身体的な不調も原因になりますか?
はい、生活習慣の乱れや病気、ホルモンバランスの変化は、メンタルに直結します。
睡眠不足や運動不足は自律神経を乱し、気分の落ち込みを招きます。また、40代・50代になれば、更年期によるホルモンバランスの変化や、体力の衰え、記憶力の低下などが「老いへの恐怖」となり、しんどさを増幅させることがあります。これはあなたの心が弱いからではなく、身体の仕組みによる生理的な反応なのです。
状況別・年代別の対処法はありますか?
置かれている状況や年齢に合わせて、思考のクセを少し変えたり、環境を選び直したりすることが有効です。それぞれの悩みに応じた対処法を見ていきましょう。
人間関係に疲れたときはどう対処すればいいですか?
苦手な相手とは無理に関わらず、事務的な対応に留めて物理的・心理的な距離を置きましょう。 「挨拶はする」「必要な会話はする」という最低限のマナーさえ守れば十分です。すべての人があなたを好くわけではないように、あなたがすべての人を好きになる必要もありません。どうしても辛い場合は、付き合う相手や環境を自ら選び直し、リセットすることも一つの賢明な選択です。
仕事が辛いときはどう考えれば楽になりますか?
「選択肢はほかにもたくさんある」と知り、逃げ道を作ってあげることです。 「生きるのがしんどい」と感じるほどの職場なら、そこはあなたの居場所ではないのかもしれません。今の時代、働き方は多様化しています。「明日辞めてもなんとかなる」と割り切るか、実際に転職サイトを眺めてみるだけでも心に余裕が生まれます。自分を壊してまで守るべき仕事はありません。
40代・50代で老いや病気が怖いときはどうすればいいですか?
不確実な未来よりも、「今」を楽しむことに意識を向けてみてください。 年齢とともに身体が変化するのは自然の摂理です。まだ起きていない病気や老後を憂いて今を犠牲にするより、「今日はおいしいコーヒーが飲めた」「ドラマの続きが楽しみ」といった小さな幸せを積み重ねましょう。「今」を充実させることが、結果として後悔のない未来につながります。
将来のお金が不安なときは何をすべきですか?
不安を「見える化」するために、現状の収支と目標を紙に書き出してみましょう。 漠然としたお金の不安は、慢性的なストレスになります。「毎月いくらあれば生きていけるのか」「半年後にどうなっていたいか」を具体的に数字にすることで、今やるべきことが明確になります。見えないお化けに怯えるのではなく、正体を明らかにすれば、対策を立てて安心することができます。
今すぐできる心が楽になる対処法は何ですか?

生活リズムを整え、食生活を見直し、「自分軸」で物事を考える習慣をつけることです。 具体的なアクションプランは以下の通りです。
生活リズムを整える
早寝早起きをして、朝は太陽の光を浴びましょう。幸せホルモンと呼ばれる「セロトニン」の分泌が促され、気分が安定しやすくなります。
参照:https://shuchi.php.co.jp/article/12026
食生活に気をつける
バナナなどセロトニンの生成を助ける食材を意識して摂りましょう。美味しいものを食べることは幸福感の向上に直結します。
参照:https://www.tyojyu.or.jp/net/kenkou-tyoju/rouka-yobou/shokuji.html
「自分はどうしたいか」を考える
「人からどう思われるか」ではなく「自分がどうしたいか」を主語にして考える練習をしてください。自分軸を持つことで、周囲の評価に振り回されなくなります。
それでも生きるのがしんどいときはどうすればいいか?

我慢せず専門家を頼るか、安心して自分をさらけ出せる居場所(サードプレイス)を探してください。
専門家に相談する目安はありますか?
「生きるのがしんどい」という感情に加え、日常生活に支障が出たり、2週間以上気分の落ち込みが続いたりする場合は、迷わず受診してください。 精神科や心療内科、または自治体の「いのちの電話」などは、あなたを守るための社会的なセーフティネットです。専門家の力を借りることは、決して恥ずかしいことではありません。
仏教の教えは心の支えになりますか?
はい、仏教の教えを通じて「思い通りにならないこと」を受け入れ、他者とつながることで、生きる苦しみを和らげることができます。
「仏陀倶楽部」のようなコミュニティでは、性別や職業の垣根を越えて、仏教をテーマに多くの人が集っています。利害関係のない仲間と出会い、自分の弱さを共有できる場所を持つことは、大きな安心感につながります。
人生を変えようと必死に修行する必要はありません。ただ、新しい視点と仲間に出会うことで、生きる景色は少しずつ変わっていくはずです。





















僧侶、著述家、宗教法人得藏寺 代表役員
愛知県名古屋市出身。浄土真宗大谷派である名古屋大谷高校業後、20歳で独立起業。自動車販売業、美容事業、飲食事業、リサイクル事業と、次々に事業を立ち上げる。
独立起業後10年を経て自身の中に湧きあがる疑問と向き合うため、事業を整理し、ヨーロッパを中心に世界30カ国以上を旅する中で、多くの宗教や文化、習慣や常識の違いに触れる。
「人は生きているだけで毎日が修行」という考えに至り、時代が変化しても自然淘汰されない“在り方”を仏教に見出す。
現在は誰もが「得度」し、僧侶になれる機会を提供している。
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